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ドビュッシー―想念のエクトプラズム (中公文庫)
 
 

ドビュッシー―想念のエクトプラズム (中公文庫) [文庫]

青柳 いづみこ
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

神秘思想・同性愛・二重人格・近親相姦・オカルティズム…。印象主義という仮面の下に覗くデカダンスの黒い影。従来のドビュッシー観を覆し、その悪魔的な素顔に斬り込んだ、一線のピアニストによる画期的評伝―没後90年。頽廃の作曲家の光と闇。

内容(「MARC」データベースより)

印象派の桃色の霧の奥にみえかくれするデカダンスの黒い影。印象派という枠組みを離れ、その悪魔的な面に切り込んだ、従来のドビュッシー観を斬新にくつがえす書。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 407ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2008/3/23)
  • ISBN-10: 4122050022
  • ISBN-13: 978-4122050020
  • 発売日: 2008/3/23
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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蠱惑的な本 2004/4/27
形式:単行本
青柳さんがいかにパワフルで多彩な人だということを書くことはしない。彼女のホームページをご覧いただけば済む。
とりあえず、私はこの本について書くことにしたい。この本の萌芽というべき「エッセイ」がユリイカのドビュッシー特集に出た。私はそのみょうちくりんな文体に、なにか心騒ぐものを感じた。それはいいとか悪いとかの価値判断ではなかった。ただ生理的には少し苦手かなというような疑似少女的文章で、これは文章の達人となった現在の青柳さんの本にも時々見え隠れする(難しいものを別の形にしようという試みだったのかな)。それは不思議にも彼女の祖父であるらしいフランス文学者の青柳瑞穂の翻訳に、常に私が感じている「感じ」と何か似ていて、私の範疇ではないけれど、決して不快でも嫌いでもない、うまく説明できないものなのである。
ともあれ、そのユリイカの文章は、なにかはかなげでノンシャランスな文体ながら、当時、まだ日本の普通の音楽愛好家が知っているドビュッシー像とは異なる情報が、実に濃い密度で詰まっていた。
私は彼女のドビュッシー演奏を手放しで好きだとはいえないし(言い方を変えれば手を離さなければ熱烈に好きな演奏もあるということである)、著作もとくに女性論には突っ込みを入れたいところもあるのだが、あの時点でああいう文章を書き、そしてその後ゆっくりと熟成するようにこの本を完成させていったことには素直に感動するしかない。
この本は、ドビュッシーっておフランス風の印象派、エレガントで口当たりのいい、甘くて弱めのカクテルか、おしゃれな感性のアブナクない人だなんて信じている人にはいささかきつい本だが(しかし遺憾ながら、演奏会の解説や雑誌の特集では、そういうステロタイプがほとんどなのである)、この本の洗礼も(一応)ぜひ受けておくべきだし、青柳さんも今までのそういうドビュッシー像を破壊するために、わざと悪人になっていてくださっているるところもある。
とにかく、楽しい本ではある。私はこういう本を敢えて出版してくださった青柳さんに感謝したい。ただ人によっては好悪の情でこの本が気に入らない人もいるであろうことをお断りしておく。
さてこの本についてのみ書くとことわったにもかかわらず、楽譜や演奏は、いまだにほとんどステロタイプのドビュッシーばかり。研究者だけが新しく出版された楽譜を買ったり研究したりすればいいというものではないはず。たとえ、ドビュッシーを甘く切ない作曲家だと思いたいにしても、それと逆の部分を知ることは、たぶん回り道や迷い道にはならない、と思う。
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By anri
形式:文庫
数年前にドビュッシーが好きだったからとたまたま読んでみて驚きました。
こんなに暗い文学的世界が彼の美しい音楽の背後に潜んでいたとは。

この本がきっかけでポーを読み、ボードレールやランボーを読み・・としているうちに、いつのまにか自分もグロテスクな美の世界にひきずりこまれていました。
ドビュッシーのいびつでありつつも美しい和音が好きなことと、何か共通性があるのでしょうか。
改めて読み返してみると、色々なつながりが見えて面白い、面白い。

ドビュッシー理解だけでなく、私の世界を広げてくれた青柳さんには感謝しています。
フランス音楽よりは、文学に興味を持っている方の方が楽しんで読めるかもしれません。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
サブタイトルを見ると、”想念のエクトプラズム”などとあり、かなりキワドイ内容かな・・・と思いきや、意外と丹念にドビュッシーの生涯をたどった評伝だった。
音楽家の書いている評伝だけに、随所に楽譜が紹介され、ピアニストとしての演奏経験からのコメントがあるのがとてもいい。
ドビュッシーの作品数は、そもそも少ないな、と思っていたが、未完成の作品が多かった、ということがこの本でよくわかった。
ドビュッシーという人物の複雑な性格が、決して順調とはいえなかった、その人生経験から形成された、ということもよく描かれている。
神秘思想、オカルティズムなど、いわゆる世紀末思想をどっぷりと浴びながら、あのような美しいメロディーを生み出したドビュッシー。
それにしても、当時のパリという場所が、ほんとうに様々な人物が世界中から集まり、彼の作品に限らず、実に多くの芸術が生み出されたのだ、ということにも感心させらた。
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