『ドニー・ダーコ』のノベライズに、コミック風のイラストを付けたような本です。
作者は『キぐるみ』を描いた方で、絵の雰囲気と装丁は、とても良いと思います。
また、巻末に、DVDに付属の「死神オババ」の著書からの抜粋(という体でつくられた解説)が丸ごと掲載されていることは、親切だと思います。
作者の方が、この映画をいかに好きか、は、よくわかります。物語は映画と少し違っていますが、大体同じです。
なので、「映画は理解不能だったが雰囲気は好きなので、腑に落ちる解釈を一つ知りたい」という方。
あと「映画はみていないが、なんとなく、この作品のあらすじを知りたい」という方。
・・・には、向いていると思います。あと作者の方のファンには良いかと。
しかしこの本、映画の魅力である「解釈の自由」を、見事にぶちこわしにしています。
説明しなくて良い、むしろ説明しない方がいいところを、作者の方の独断で詳細に書いてしまっているので、人によってはせっかくのお気に入り映画の余韻を、台無しにされた、と感じるだろうと思います。
また、控えめに云っても、文章はおそろしく「くだけて」います。若い方なら違和感ないかもしれないですが、「ケータイ小説」の文章に嫌悪感をお持ちの方など、読むに耐えない、と思います。
個人的感想として、映画関係者など抱き込んだ、正式なファンブックだったら、さぞやお洒落だったろうに・・・と惜しく感じる一冊です。