現在、オーストリア,スロヴァキア,チェコ,ハンガリーが存在
する地域(「ハプスブルク帝国」の支配を受けた地域でもある)
を「ドナウ・ヨーロッパ」とし、その地域全体の歴史を形成から
現代まで描いている。
地域全体の歴史として描いているため、各国史では見えづらい
各地の共通性や関係(中世ボヘミアとハンガリーの「聖王冠」
理念など)も見えてくる。各章の最初にはその時代のまとめがあり、
全体像を把握しやすい。
しかしハプスブルク帝国崩壊後の8章,9章は各国ごとの記述になっている。
そのため「横」が見えづらくなっている。特に9章は冷戦期であり、
オーストリアのみが「西側」陣営に入っている。一体として扱うのは
難しいのかもしれない。
「ハプスブルク帝国史」以外でこの地域の歴史を一体として
描く、「ドナウ・ヨーロッパ」という枠組み、各国史では無い
など、この地の歴史を知りたい人が最初に読むべき本として
おすすめできる。