2,3年前に若島正の本で存在を知り、邦訳を何冊か読んでいたウィリアム・コッツウィンクル
ですが、本作がいちばんとばされました!
最初は翻訳文の言葉の並びとリズム感のかっこよさに魅了され、読み進めたのですが、
すぐにストーリー自体にも引きずりこまれてしまっていました。
ほとんど人間の出てこない、動物目線の短めの断片が、いろんな方向から矢継ぎ早に繰り出されて、
幾分トリッキーな感じでストーリーが紡がれていく、その展開の引き出しの広さや面白さなどで
まったくダレずに、というかむしろ逆に、かなり集中して楽しく読めました。
そして、普段の生活の裏に隠されている事実をリアルに突きつけられ、とても反省させられました。
でも一方で、時代を感じさせるパロディ的場面や、文章やセリフの妙に大笑いさせられました。
あと個人的に、むずかしくて言葉にしにくいような気持ちや状態が巧みに描写されていることが多く、
そのたびにうわ〜!!と衝撃をうけました。
それに3.11後のいまの時代にも、ある部分でこわいぐらいにシンクロしているような、印象をうけました。
英語が読めないので、ただの印象ですが、翻訳もすごーくよかったのでは?
ついでに、
「殺しの時間」で触れられていた「ミッドナイト・イグザミナー」も、いつかぜひ読みたい! と思いました。
「ドクター・ラット」が76年で、「ミッドナイトが89年の作品だから、
もっとすごいことになってるんでは・・と単純に期待してしまいます。
あと、次のジョン・スラデック「ロデリック」も超・楽しみです!
このストレンジフィクションのシリーズが第2回、3回と、
奇想コレクションばりに続いてくれることを期待しています!