昨年のドラマ等で、ドクターヘリの存在が一般的に知られるようになってきた。しかしながら医師がいち早く現場に赴いて1秒でも早く治療を開始するためのもの、といった第一の存在意義よりも、救急車よりも速い搬送手段であるといった二次的な役割の方に注目する人が依然として多いことなど、正確にその存在を捉えている人は案外少ない。
本著ではドクターヘリとは何なのか、というところから、日本の現状、海外での先進的な事例、今後の方向性等、基本的な事項が最新の情報を交えて一通り網羅されている。ドクターヘリについて知りたいなら、まずこれを読むべき。
日本では患者の覚知から治療開始まで平均で30分以上かかっていて、全国どこでも手遅れの状態であり、病院がたくさんあって充実した医療サービスを受けられるはずの東京が45分以上でダントツのワーストワンである等のデータには驚かされる。
海外では15分以内に治療を開始する、といった目標を掲げて救急体制を整備しているのに対し、何ら有効な対策も打てずに救急医療が既に崩壊している日本の現状をみれば、せめてヘリコプターくらい全国配備すべきなのは明らかである。