アフガニスタンで活動する中村哲医師のことを知って、ご本人の著作を読んでみた。「辺境で診る、辺境から見る」という題の本だった。他にも何冊か著作はあるが、初めの1冊で現地の活動状況を極めて客観的に書かれているが、ご本人の私的事情については、ご本人の口から多くを語られない人だなということが感じられた。そこで次に手にしたのがこの本「ドクター・サーブ」だ。
これは書き手である丸山直樹氏が、中村医師の活動とその人柄に心を打たれたことで出来た本だと思う。丸山氏はアフガニスタンに限らず山岳地方に取材することを、一種の活動分野としされているので、中村氏の活動範囲についてゆくこともいとわない。
取材記事のいいところは、取材対象の本人が語らない点について、語られているという点だろう。その意味で、本書はよくよく中村医師のことを理解し、語られていると思う。書き手が対象に惚れた証しだと思う。中村医師ご自身が、それほどの人であるということと、書き手の思いがマッチしたいい本だった。