道に迷って遭難し、生還した当事者の生々しい記録です。
私は本格的な登山はやりませんが、読んでいて子供の頃に味わった迷子による絶望感が蘇りました。
きっかけはよくある些細な判断から、動くほどに悪い方へと進んでしまい、「遭難したかな…」と自覚するに至る。
絶望感、生還への執念、凍傷の恐怖…。
中でも、北アルプス常念岳での雪山遭難は本当に恐ろしい思いで読みました。
(これだけで、ひとつの映画にできるのではないかと思う記録です)
私はこれまで「ホットゾーン」の冒頭部分(エボラウイルスに感染した最初の患者が、発症後に飛行機に乗って病院へ行き、そこで炸裂するという実話です)が最も怖い読み物であると認識していましたが、それに匹敵するような恐怖でした。
当然ながら道迷いを防ぐための示唆にも満ちた本であり、自分の行くような低山であっても、決して侮ってはいけないことを肝に銘じました。