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本書ではあくまでも事実を描写するというスタンスに徹し、「日銀と政府の関係」「日銀内部の意思決定のプロセス」の2つが中心である。どちらかというと後者のウェートが多い。
本書で浮き彫りにされているのは、速見優という人の日銀総裁としての資質である。どう贔屓目に見ても日銀総裁としての仕事振りには、ただの1ミリも肯定的評価を与えることができない。また、日銀の政策審議委員会内部で、総裁ー副総裁間で経済観に対する温度差から来る人間関係の温度差、などの人間関係が組織としての意思決定に与える影響が描かれている。組織での人間関係が組織運営に与える影、というとどこの組織でも見られるだろうが、日銀の政策運営にもまた例外ではなかったのだ。
本書のあとがきで、ジャーナリストである著者が日銀に対して情報公開法に基づいて金融政策決定会合議事録の開示を求めたが、日銀が議論の部分を不開示にし、情報公開審査会に異議申し立てをした「戦記」が記されている。
当時の内閣官房長官を思わず批判している脚注から、作者の
思い入れが伝わってくる。
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