戦争は悲惨である。だが、その事だけに捉われて、情緒的な視点ばかりで戦争を見る事は、戦争の現実を見失ひ、日本と世界の未来を危うくする物ではないかと、私は思ふ。
本書は、理科系のキャリアを持つ軍事ジャーナリスト、加藤健二郎氏が見たイラク戦争の現実である。この本に書かれたイラク戦争の光景の中には、日本の(自称)「平和主義者」達の思ひ込み(想像)を裏切る物が幾つも有りそうである。−−著者の文章が余りにもドライで感情を排した物である事に、反発する「平和主義者」も居るかも知れない。−−だが、平和を欲するならば、戦争を知るべきである。その一歩として、本書に書かれたイラク戦争の現実を知る事は、貴重な知的経験であるに違い無い。
(西岡昌紀・内科医/イラク戦争開戦から4年目の日に)