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ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)
 
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ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809) [新書]

青砥 恭
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 819 通常配送無料 詳細
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登録情報

  • 新書: 237ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/10)
  • ISBN-10: 4480065113
  • ISBN-13: 978-4480065117
  • 発売日: 2009/10
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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49 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
すさまじい無気力が覆う「底辺校文化」の描写から始まる。九九もできない、授業を聞かないどころかキスしたり抱き合ったり。暴力沙汰は日常茶飯事で、1年たつと半数近くが中退している。学ぶという空気も、将来の希望も皆無な環境で、学ぶ意欲を持つのは普通の人間でも至難の技だろう。

子供自身や親など30人以上のライフヒストリーがつづられているが、どれもドラマになりそうな、悲しく過酷な境遇を生きることを強いられている。子供たちの多くが、親の暴力ないしは無関心による、育児の失敗で家も学校も逃げ出したケース、また夜更かし、居酒屋などでの子連れ飲酒などルーズな生活スタイルを子供に踏襲させてしまったがために、子供がそうした生活を自明のものだと感じ、学校時間に合わせられなくなり、落ちこぼれていくというケースが多い。小学校までに失敗するとまっとうな道に戻るのは難しい。また、高校を中退すると、工場などでのバイトさえ雇ってもらえないなど進路は乏しいにもかからわらず、貧困のため学ぶ時間はなく、働くしかないという現状。さらに彼らは子供時代から一度も関心を持ってくれたことがない。一度落ちたら若者であっても再浮上できない、日本社会の怖さをまざまざと見せつけられるとともに、彼らの生きにくさに悲しさを感じた。

巻末では、子供の学力と親の財力に強い相関があることをデータを元に明らかにする。著者の提案はすぐに賛成できない部分もあるが、普通科中心から職業教育中心に高校教育に転換するという提案は同感だ。上級学校への進学が難しい中、学習への動機づけ強く、一度は社会に放り出された若者たちの職業訓練を受け入れる職業科の増設は必要だと思う。新書という限られたスペースの中、全体を通して、非常によく取材がされており、普段の生活では見えない貧困を目の当たりにさせられる。極めて良質なドキュメンタリーである。
このレビューは参考になりましたか?
32 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By たか トップ1000レビュアー
形式:新書
若年層の学力低下を扱った新書かと思ったが、貧困問題がメインテーマであった。
前半は高校中退者の声と実態を伝えているが中盤から後半にかけては、これらの根本的な原因となっている貧困問題に焦点をあてており、その分析はかなり的を得ていると思う。

高校中退者が多い底辺高校の実態には驚愕した。
掛け算九九すら出来ないまま高校に進学した者や学費が払えず親から早く高校を止めるように促される者もみられるなど実態はかなり深刻。
こうした生徒の背景にあるのは、親の貧困である。
また、こうした家庭では子供への教育面への働き掛けも脆弱であり、子供も意欲的に高校に通うような気持にはなりにくいといった面もある。

著者がこうした現状を憂いて主張している何点かのうち、高校の義務教育化などは強く共感した。
というのも、中卒、高校中退者は就職が困難でこれらの若者は劣悪な条件下で働くことを強いられ、また、こうした層は若いうちに結婚、出産する傾向が強く貧困が連鎖していることが背景にあるため。
民主党政権は高校の無償化をマニフェストに挙げているが是非期待したい。

教育の荒廃は後々ボディーブローのように国にダメージが蓄積する。
このため、政府は早期にドロップアウトした生徒を救済し再起するチャンスを与える(例えば放課後に基礎的な補習をして小中学校程度の学力は確実に身に付けさせる)べきである。また、民間レベルでも貧困を背景にチャンスを奪われている少年達に支援策を模索して欲しい。

学力低下や貧困問題、家庭崩壊問題、社会制度問題等々かなり幅広く考えさせられる良書であった。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 井上泰佑 トップ1000レビュアー
形式:新書
バブル崩壊後の混乱、そして「失われた10年」を経て「平成恐慌」ともいわれる超氷河期の時代に生まれ育った僕らの世代から読んでも、共感できる内容になっています。
特に「格差社会」に重点的にスポットを当てて「貧困層の拡大とその余波」の実情を明らかにしています。

「定時制高校にすら入学できない」事情は人それぞれですが、格差社会が産み出した貧困によって定時制高校にすら進学できない。高卒の学歴がなければ大学進学も就職も出来ない。
本来、“もう一つの教育セーフティーネット”の役割を果たしてきた「定時制高校」が如何に崩れていっているのか?
それが、この著作でよく理解できます。その有り様は、正に『野戦病院』ともいうべきにふさわしいです。

メインテーマに「教育の機会均等」を提示していますが、これには僕も共感しました。
事実、僕も“もう一つの教育セーフティーネット”である「公立のチャレンジスクール(朝と昼間の定時制高校)」を8回も受検してきたのですが、一度も合格に至る事はありませんでした。
その「チャレンジスクール」と呼ばれる定時制高校にはいわゆる「学力検査がない」のです。合格か不合格かは全て面接で決めるのです。一体、何の基準で合否を決めているんでしょうか?暗黙のままに入学考査の真実は闇に葬られてしまうのです。これが「教育の機会均等」と呼べるのでしょうか?“教育セーフティーネット”に加われなかった人間はどうなるのか言うまでもありません。
本書にある「誰しも平等に教育の機会均等のチャンスを与える」というのは非常に納得のできる提案でした。
“教育セーフティーネット”が崩壊してしまったら、誰がそれを補い救うのでしょうか?

結局、高校の時点で「機会均等」を与えておかないと最終的には国が責任を担うことになります。そして、格差社会が拡大し、それが連鎖するという事が理解できる一冊です。
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