幼女連続殺人の宮崎勉、
奈良の幼女殺人の小林薫、
そして大阪池田小襲撃犯の宅間守。
そして若干の林眞須美。
こういう人々の心のあり方を取材を中心に明らかにしている一冊です。
なかなかの力作です。
まず本人も含めての取材の成果として、
本人の心の中にかなり踏み込めているところが、
類似書と異なる。
書簡のやり取りや接見を続けることは、
通常のジャーナリストや学者には難しいことだとうと思う。
そういう活動を通してそれぞれの人格に迫っているところが、
読み応えがあった。
もう一点、本書が優れているのと感じた点は、
通常このように対象者に近づくとどうしても著者の視点も対象者よりになるものであるが、
本書は冷静に犯罪と背景を分析し続けている
そこも簡単ではない。
さて本書を通じて分かったのは、
重大な犯罪を起こす人間の絶望や浅はかさの深刻さ。
犯罪の被害を防ぐことは彼らの気持ちのありようをどこかで救う必要があるが、
それがいつ誰によってなされるのか。
現実は厳しいと感じた。
確かに犯罪は社会的な文脈で理解する必要がある。
それは本書の主張だと思う。
だからと言って、
社会の側から孤独な若者に歩み寄って、
彼らを救済することは不可能だと、
本書を読んで感じた。
心の闇を照らすとそこはまた闇しかない、そんな一冊。