TBSラジオのリスナーであれば、「タケダカズアキ」の名を知らない人はいないだろう。「この人、本当にTBSの記者さん?」と思ってしまうほど、歯に衣着せぬ物言いが痛快至極な政治記者だ。
そんな武田記者の著書が刊行されたことを、勝谷誠彦さんの有料メルマガで知る。「自民党の人々にいま箸を置いてでも手にとるべき本をお教えしよう。いや、民主党もまた本気で政権を維持したければこれを読むべきだ。今年私が手にとった本の中で、間違いなくナンバーワンの候補」と勝谷さんも大絶賛だ。
福田総理の辞意表明から鳩山内閣の誕生までを追った本書は、表向きは政権交代の裏側をリポートしたノンフィクションだが、一貫して通底しているのは「民主主義とは何か?」である。勝谷さんも指摘されていたが、本書のP53の下りに思わず溜飲が下がる。
<民主主義とは何か?
民主主義とは、「多数決の原理」とか「自由・平等」」といったことよりも、そうした価値を含めて多くの国民が「自分たちの国は民主主義国家だ!」と信じられることが、一番大切なことだと僕は考えている。>
日本は本当に民主主義国家なのか? そんなことを思わず考えてしまう。
巻末の小沢一郎へのインタビューも面白かった。武田記者は、小沢が尊敬する大久保利通、伊藤博文、原敬の名前を出し、「小沢代表代行(当時・引用者)は大丈夫ですか? 最期は畳の上で……」と問う。「平成の闇将軍」ともいわれ恐れられる小沢に、そんな質問を投げかけるとは! しかも、それに対する小沢の答も興味深い。「なるほど、小沢はやはり本気なんだ」と納得させられ、その言質を引き出しただけでも、武田さんの政治記者としてのずば抜けた能力を知ることができるだろう。