ドイツ史への入門書である本書であるが、いわゆる概説書というわけではない。
本書は、言わば高校世界史からドイツに関する部分を抜き出し、
特に重要と思われる時期を執筆者が分担、それぞれ8頁前後で説明を試みている感じである。
例えば、第一次大戦とワイマル共和制には章が設けられているが、その間のドイツ革命へは両者とも触れていない。
執筆者それぞれが優れた研究者であることは確かだが、紙幅の関係からそれほど掘り下げているわけでもない。
より深く学習したいという読者のために各章末に参考文献が1〜4冊挙げられているものの、
執筆者によって入手しやすい新書だったり、絶版になって久しい単行本だったりと、
各執筆者が念頭に置いている読者像にバラツキがあるように感じた。
以上述べてきたことからもお分かりかと思うが、本書は高校世界史の復習レベルから出るものではなく、
日本人にとっての高校日本史レベルの概説書とはなり得ない。
それだけのレベルをお求めの方には、本書と同じ編者の『世界各国史13 ドイツ史』(山川出版社、2001年)、
よりコンパクトなものとして、望田幸男・三宅正樹編『新版 概説ドイツ史』(有斐閣、1992年)をお薦めしたい。