コープマンの演奏が好きなので、購入してみました。
本書は、「作曲当時に意図されたように正しく演奏するには、多くの資料を当たることが大切だ」、と説く本です。そして、様々な文献の引用が実際に紹介されています。
ですが、それら引用文献が相互に矛盾した記載となっていることが多く、結局のところ結論は全く得られません。この本をいくら熟読しても、たとえば「ヘンデルのラルゴのアリアには、どれくらい即興を入れるべきか」、といった問いに対する結論は、全く得られません。「できるだけ文献を当たってください」というコープマン先生の助言が得られるだけです。せめて、文献からある程度の結論が得られるものについては、表のような形で分かりやすくまとめて欲しかった…。
資料の原典複写も多く、コレクション的な価値はありますが、日本語訳は全くないので、実用的価値はほとんどありません。本の厚さ(正味190ページ程度です)、価格に比すと、内容は非常に薄いです。3780円という価格は、そのほとんどが「トン・コープマン」という名前の価値だと思ったほうが良いでしょう。