韓国では2010年3月22日から2010年10月12日まで韓国MBCにて、全60話で放送された李氏朝鮮を舞台にしたテレビドラマだ。日本での放送はKNTVから開始し、衛星劇場と経て、2011年4月10日からNHK BS-プレミアムで毎週日曜21時00分に吹き替えで放送されている。監督は、『宮廷女官チャングムの誓い』や『イ・サン』を手がけたイ・ビョンフン監督である。イ・サン(正祖)の祖父・英祖の生母となる女性の生涯を描いた作品である。
面白いなぁ、と思うのは某局大河ドラマの前回に放映された『龍馬』でもそうだったが、坂本龍馬を描きつつ、同時に岩崎弥太郎の人生も描いているという、事実上二人の人生を並べて観る、といった脚色方法だ。ここではトンイと朝鮮3大悪女の一人であるチャン・ヒビンが並べられて脚色されている。それも今まで何度も映像化されているチャン・ヒビンを『悪女』では無い視点からも追っている所が、イ・ビョンフン監督だなぁ、と思わせるのだ。
もう一つイ・ビョンフン監督の素晴らしいところは、朝鮮王朝の様々な部署の内容を毎回教えてくれるところだろう。今回の舞台は、掌楽院(チャンアグォン)→音楽隊、監察府(カムチャルブ)→婦人警官である。日本の王朝にもこういった部署があったのだろうが、ちっとも習った記憶がない。ということは詳細な部分は、明かされていないのかもしれないが、こういう部署ごとの雰囲気が分かるだけでも随分観ていて愉しいものだと思った。
そして主役級が皆すばらしい。どこか情けない所がある李氏朝鮮第19代国王粛宗(スクチョン)は、『結婚できない男』での演技が印象深いチ・ジニがやっているのだが、ホントにぴったりである。トンイ役のハン・ヒョジュは深キョンに似ているが、もっと庶民的で愛らしい。確かにこういう女性は魅力がある。それ以外にも、チャン・ヒビンの兄、チャン・ヒジェを演じているキム・ユソクの演技も光っている。
何しろ、『チャングム』→『イ・サン』→『トンイ』と観てきたが、『トンイ』が一番だとぼくは思う。既にあらすじは全部読んでしまったのだが、後半部分でチャン・ヒビンの息子とトンイの息子の予想外の結びつきの強さが出てくる。今から映像化が愉しみだ。