芥川龍之介の作品「トロッコ」が、台湾の花蓮を舞台に制作された意義は大きい。監督自身が語っていることだが、トロッコが現存するロケ場所を探しているうちに、台湾に目が向けられたという。
花蓮は、日本統治時代に日本人によって開発された街。今なお、その時代の建築物が市の文化財として大切に保存されている。お年寄りは流暢な日本語を話し、親日感情も今なお強い。
だが、日本統治時代に触れることがタブー扱いされている現在の日本では、若い人達が日本と台湾の歴史的絆を知る機会さえなかなかない。その意味でぜひ、この映画は若い人達に見てほしいと思う。
台湾人の友人は、早速DVDを購入して、この映画を見たという。その感想を次のように記している。
「先日 インタ−ネットで映画『トロッコ』DVDを買いました。 今日 映画『トロッコ』をみました。 日本人観点から 台湾年配のおじさんは悲しい気持ちです。
日本人時代とき 一生懸命日本人になりたいです。 日本政府戦争戦敗とき 台湾年配のおじさんたちは捨てられました。 あの時 悲しい気持ちです。
日本政府は 台湾で人造森林を作りました。偉いです。 あの人造森林は空気がいいです。きれいな景色です。」(原文のまま)
もちろん、揺れ動く少年の心を描いたテーマも心を打つが、それ以上に日本と台湾の絆に思いが至る作品である。