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トロイの木馬
 
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トロイの木馬 [単行本]

冷泉 彰彦


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 「トロイの木馬」ときいて、何を思い出すだろうか? 真っ先にパソコンのウィルスを思い出した人には楽しめる要因が多く含まれている作品である。アメリカを舞台とし、フィクションとはいえ、コンピュータ業界の概要、略歴、現状を示唆するディテールでいっぱい。読みながら「にやり」としてしまうところも少なくないだろう。

   主人公はアメリカのコンサルタント会社に勤務する嶋田美佐子。物語は1997年の12月5日、ニューヨークにある事務所に彼女が出勤するところから始まる。事務所自体のコンピュータシステムのメンテナンス、ボスとの会話、重要な顧客エディンバーグ社からの新年度契約に関するミーティング。何も変わらない1日が始まったはずだった。だが、それは彼女のキャリア、そして彼女自身の人生、そしてコンピュータ業界全体の未来を大きく変える事件の始まりだったのだ…。

   プロット自体は単純である。だが、それを単純に思わせないディテール。そのディテールゆえに、コンピュータ用語やコンピュータの世界になじみのない人には少しなじみにくいかもしれない。だが、フィクションとはいえ、パソコン業界の状況をここまで明瞭に示している書物は少ない。アメリカの社会で働くということ。パソコン業界で働くということ。そんなことに興味があるなら、ヘタな案内書を読むよりもよっぽどリアルな言葉が聞ける。(つちだみき)

出版社/著者からの内容紹介

コンピュータ社会の陰謀を描く、運命的な大作だ。これだけは今、読まねばならぬ。「ネットワーム」という章では血の気がひいた。それにしても、最大の危機が「日本語の破壊」にあると看破したこの作家は何者なのだ!? (荒俣 宏)壮大なスケールの電脳謀略絵巻!クラッカーの跳梁のせいで、実体のない情報に世界が支配されてゆく恐怖が迫り、非常に歯ごたえのある小説だ。(長谷部史親)

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