内容紹介
過去を検証しないで、あなたはトレードできますか?
トレーディングシステムを開発しようと思っている人、必読の書!
ロバート・パルドは長年にわたってトレーディングシステムの最適化問題に取り組んできた。汎用テストプログラム「アドバンスド・トレーダー(Advanced Trader)」の作成者として知られ、数々のトレーディング戦略の開発者でもある彼は、1990年代初めから最適化プロセスを、開発、テスト、結果の検証というあらゆる面から考察するのに必要なすべての資質を備えた人物と言えるだろう。
最適化手法は一見、「勝てるトレーディングシステム」を見つけるための理想的な方法であるかに思えるが、本書を読めば、それが難しい意思決定を伴うものであることが分かってくる。
テストを行う目的は、そのルールと数式(つまり、戦略)を使って過去にトレーディングを行っていたならば、どんな成果を上げていたかを知るためである。どんなシステムでもそのほとんどが、過去を検証することで構築されることを考えれば、過去に起こったことを正しく認識しているかどうかを確認したいと思うのは当然だ。自分の戦略が、勝てるのか、どれくらいのリスクにさらされているか、そして理想的な結果を得るためにどれくらいの資金が必要なのかも知らずにトレードすることほど危険なことはない。
しかし、テストには落とし穴もある。コンピューターの性能向上によって、パターン、ルール、公式のあらゆる組み合わせをテストすることが可能になり、成功すると思える戦略は確実に見つかるようになったと思われがちだ。しかし、経験によれば、こういった方法による戦略はリアルトレーディングでは利益を出せないことが分かっている。「オーバーフィッティング(こじつけ)」と呼ばれるこの現象は、トレーディングプログラムの開発者たちを悩ます難題である。ロバート・パルドは本書でこの問題を詳しく解説するとともに、正しい解決方法を提示している!
最適化結果の評価もまた統計学的に健全なものでなければならない。結果を正しく解釈できなければ、最良の解決策を導き出すことはできない。最適化は正しく行わなければ意味のある結果を導き出すことはできないこと、正しく行わなければ信頼度の低い結果しか得られず、引いてはそのシステムが損失につながることをパルドはよく理解したうえで、初心者にも分かるように詳しく解説している。
トレーディングシステムをこれから開発しようと思っている人、または、すでにあるシステムを検証したいと考えている人は、本書を読んで内容をしっかり理解することから始めることをぜひもお勧めする。
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
メディア掲載レビュー
パルド・キャピタルの社長。トレーディングモデルの構築と検証を可能にした最初のソフトウエアであるスイングトレーダーやグラフィック表示を組み込んだアドバンスド・トレーダーなどの商用テストプログラムを開発し、ゴールドマンサックスや大和證券のためにマネーマネジメントを請け負っていた。また、その業務に関連して、現在、チェース実物商品指数として知られる指数の開発した。その後、パルド・キャピタル社を設立し、1999年6月以来、300%を超えるリターンを上げ、フューチャーズ誌の年間運用成績ランキングの5位以内に6回入り、2001年にはトップに立った。 --表紙カバー内容紹介より
著者からのコメント
先物・オプション業界はすでに揺籃期を脱し、成熟期に入ろうとしている。つまり、開拓マシンとしての役割りを終え、最もアクティブな世界市場の中心的存在へと変貌しつつあるということである。通貨市場におけるEFP(現物と先物のポジションを交換する)取引の導入によって、現物市場も先物市場も当事者にとって利便性の高いものになると同時に、先物市場は世界穀物の正式な値決めの基準に使われるようになった。株式ポートフォリオのヘッジ、クロスレートの設定、スワップ取引、インフレ指数連動債の購入も、今やトレーダーや投資マネジャーは電話1本で実行可能だ。古くから存在した制度間の違いも、ほとんど消えつつある。
しかも、これはほんのプロローグにすぎない。伝統的なオープンアウトクライ市場にも電子の波は確実に押し寄せ、今現在でも、ピットでの取引から事後処理に至るまでのすべてがコンピューターで行われている。「プログラムトレーディング」は、コンピューター化されたティッカーテープを分析し、自動的に売買を執行する手法であるが、これもまた避けることのできない変革プロセスの氷山の一角にすぎない。注文執行がすべてコンピューター化され、執行に関してだれにも苦情を言えなくなる日は、もう目前まで来ている。やがては、オーダーさえ出さなくてもすむ日がやって来るだろう。
市場の変革に伴って、市場関連の書籍もまた進歩した。しかし、トレーディングについて書かれた書籍の多くは入門書の域を出ない。高度な読者向けに書かれたものさえ、取引についての細々とした記述や市場のメカニズムについての説明を含むものが多い。経験豊富なプロのトレーダーやアナリスト向けの内容に焦点を絞り込んだ書籍が少ないのが現状だ。こういった状況のなか、ザ・トレーダーズ・アドバンテージ・シリーズはまさに、彼らの待ち望んだ書籍を提供するものである。
本シリーズの書籍はすべて、その道のプロと優れたリサーチアナリストの手によって書かれたものだ。内容は主として先物、現物、株式の各市場を対象とするものだが、価格予測にも応用可能である。本シリーズで扱う題材にはトレーディングシステムと各種テクニックも含まれるが、これらはすべて、価格予測とトレーディング技術を磨くうえで不可欠なものばかりであるため、本シリーズに含めた。
クリエイティブで最先端の内容を扱う本シリーズは、新しいテクニック、既存のトレーディング手法の徹底分析、未解決問題への新たな取り組み方を提示するものである。本シリーズでは、概念は明確で分かりやすく説明し、例題と図表をふんだんに取り入れるという一貫した姿勢が貫かれている。また、不必要な基礎的資料を含んでいないため、ボリュームは薄く、要点を明確に述べているのがシリーズ全体の共通点である。読者には注意深い読みと考察が求められるが、本シリーズを読破することで、市場分析と市場予測のあらゆる分野に対する理解は、類書とは比較にならないくらい高まるだろう。
1992年7月、バミューダにて
著者について
パルド・キャピタルの社長。トレーディングモデルの構築と検証を可能にした最初のソフトウエアであるスイングトレーダーやグラフィック表示を組み込んだアドバンスド・トレーダーなどの商用テストプログラムを開発し、ゴールドマンサックスや大和證券のためにマネーマネジメントを請け負っていた。また、その業務に関連して、現在、チェース実物商品指数として知られる指数の開発した。その後、パルド・キャピタル社を設立し、1999年6月以来、300%を超えるリターンを上げ、フューチャーズ誌の年間運用成績ランキングの5位以内に6回入り、2001年にはトップに立った。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
パルド・キャピタルの社長。トレーディングモデルの構築と検証を可能にした最初のソフトウエアであるスイングトレーダーやグラフィック表示を組み込んだアドバンスド・トレーダーなどの商用テストプログラムを開発し、ゴールドマンサックスや大和證券のためにマネーマネジメントを請け負っていた。また、その業務に関連して、現在、チェース実物商品指数として知られる指数を開発した。その後、パルド・キャピタル社を設立し、1999年6月以来、300%を超えるリターンを上げ、フューチャーズ誌の年間運用成績ランキングの5位以内に6回入り、2001年にはトップに立った
長尾 慎太郎
東京大学工学部原子力工学科卒。日米の銀行、投資顧問会社などを経て、現在はヘッジファンドマネジャー
山下 恵美子
電気通信大学・電子工学科卒。エレクトロニクス専門商社で社内翻訳スタッフとして勤務したあと、現在はフリーランスで特許翻訳、ノンフィクションを中心に翻訳活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
最適化手法は一見、勝てるトレーディングシステムを見つけるための簡単で理想的な方法であるかに思えるが、本書を読み進めるにつれて、重大で難しい意思決定を伴うものであることが分かってくるはずだ。
テストを行う目的は、そのルールと数式(つまり、戦略)を使って過去にトレーディングを行っていたならば、どんな成果を上げていたかを知るためである。どんな手法でもそのほとんどが、過去の状態(非常に特殊な状態であろうと、一般的な状態であろうと)を検証することで構築されることを考えれば、過去に起こったであろうことを正しく認識しているかどうかを確認したいと思うのは当然のことである。アイデアをバックテストすることは当たり前のことと言ってもよいだろう。戦略を、成功するかどうかも、どれくらいのリスクにさらされているかも、そして望む結果を得るためにどれくらいの資本が必要なのかも知らずにトレーディングに用いることほど危険なことはない。
ところが、テストには落とし穴もある。コンピューターによる計算能力の向上によって、パターン、ルール、公式のありとあらゆる組み合わせをテストすることが可能になり、成功すると思える戦略は確実に見つかるようになったと思われがちだ。しかし、経験によれば、こういった方法による戦略はリアルトレーディングでは利益を出せないことが分かっている。最近になって「オーバーフィッティング(こじつけ)」と呼ばれるようになったこの現象は、トレーディングプログラムの開発者たちを悩ます難題である。ボブ・パルドは本書でこの問題を詳しく解説するとともに、正しい解決方法を提示している。
最適化結果の評価もまた統計学的に健全なものでなければならない。結果を正しく提示・解釈できなければ、最良の解決策を導き出すことは不可能だ。最適化は正しく行わなければ意味のある結果を導き出すことはできないこと、正しく行わなければ信頼度の低い結果しか得られず、ひいてはトレード損失につながることを本書の著者はよく理解したうえで、詳しく解説している。
トレーディング手法をこれから開発しようと思っている人、あるいはすでにある手法を検証したいと考えている人は、まずは本書を読んで内容をしっかり理解することから始めることをぜひもお勧めする。
1992年7月 バミューダにて