ソノラマ文庫より刊行された「エイリアン秘宝街」と「エイリアン黙示録」の改訂(実のところそれほど改訂はされていない)と、書き下ろし短編「エイリアン旋風譚 鏡影の村」を一冊にまとめたもの。あとがきによれば書き下ろし短編はこのノベルス版シリーズ完結のおりに一冊にまとまるというから、旧作の読者向きではなく、新読者向きといえる。
「インディ・ジョーンズ」のような迫力あるアクションに「007」並みのハイテクを盛り込んだことが本シリーズ最大の特徴だ(奇しくも「インディ・ジョーンズ」シリーズはスピルバーグがルーカスに「007のような作品が作りたい」と相談を持ちかけたことから製作された、という事情がある)。実際、「黙示録」の後半の戦闘シーンで大が使用する秘密兵器は「007/サンダーボール作戦」でジェイムズ・ボンドが使用したものと同じである(背負って空中飛行を可能とするジェットパック)。
それはさておき、最近の菊地作品では見られなくなった一人称に加え、緻密なシーン展開、興味深い題材、重厚ではあるがスピード感を持った文章、奔放な想像力を駆使したSF要素・・・魅力を挙げだしたらきりがない。ラストがあっけないところで好き嫌いが分かれるだろうけれど、「肩の凝らないエンターテインメント」ととして十分にお勧めできる。
イラストに関しては・・・無言を意見としておこう。