一話完結の不思議な味わいの連作短編集「トリフィルファンタジア」。全2巻なので、オアシスの街オンファスを舞台にした物語もこれにておしまい。
表紙の青空のようにほのぼのしたお話が多かった1巻に比べ、2巻のイメージは月夜と闇。夢の中のような奇妙な物語が多かったと思います。「これは漫画なのか?」と首をかしげるような回もあったりして、1巻以上に不思議な本でした。
稲垣足穂の小説やクラフト・エヴィング商会の本を思わせる月と星の不思議物語・第17話、砂の海に暮らす灯台守と怪物の交流・第19話、意地っ張りの少女と人形の一週間・第14話、またはにぎやかなバザールの第13話など、夜麻作品の多様な側面を満喫出来ます。しかし、今回一番印象に残ったのは最終話ですね。最初、何の話が始まったのかとびっくりしました。ただ優しいだけじゃないんだなぁ、という感じです。最後はじんわりでした。
この巻も良かったのですが、街の人々のエピソードが増えた分、トリフィルの三人組の活躍が減って、それが少し寂しい気がしました。幻想大陸の三人組のように、またいつか彼らの噂話なりを聞けたら良いな、と思います。
何はともあれ、夜麻先生、お疲れ様でした。また次の連載をお待ちしております。