友人からの薦めで買いました。
PCで読み進めるイラストつきのストーリーという点ではゲームのようでもあり、また価格帯の点ではドラマCDのようでもある本作ですが、テキストのボリュームと読後感(というのでしょうか)は、まさに「小説」でした。声優さんのボイスや多数のカラーイラストという彩りは、ライトノベルと呼ばれるカテゴリーの書籍が指向する形態の一つではないかと思います。その意味で、本作は今後のライトノベルのカタチを先取りする一作として、一見の価値あり、と感じました(一般的なPCゲームに較べればずっと安いですし)。
また、もちろん「小説」というからには、形態や彩りでなく、ストーリーやテーマ表現のクオリティの高さこそが必要です。本作は駆け出しのアイドルプロデューサーと、彼を見つめる「女性の幽霊」の2人を狂言回しに使うことで、単なるアイドル世界の日常譚を越えて「生命」のあり方にまつわるテーマまでを深く描いています(LIFE with IDOLというタイトルもその意味でなかなか深いものがあります)。小説の新形態としての実験作、としては充分に過ぎるクオリティを感じました。
今後この形態でのさらなる展開を望みたく、その「伸びしろ」の部分を見込んで★は4つとさせていただきましたが、値段も考え合わせると本作には充分満足しています。