この"40th"と書いてある内側ジャケットを見た時、これは絶対に来年北米版が出るに違いないと思いました。地雷を踏んだか、と思いましたが、買って大正解でした。付属のブックレットの舛田利雄監督とのインタビューでは、なぜ採用に至ったか、また編集のプロセスなど今まであまり知られていなかった事まで書いてあります。Model Graphix誌の特集にも見られなかった未公開写真も掲載され、薄いながらも見所ばっちりです。
画質は素晴らしく、35mm撮影の作品の為か、70mmで製作され同年に公開された“パットン大戦車軍団”よりも粒子が強く、よりフィルムらしく感じられます。また後者はDNR(Digital Noise Reduction)の使用がさんざん指摘されたので、フォックスもファンの声を聞いていたのかもしれません。音響も素晴らしく、DTS-HDで聞くあのエンジン音は鳥肌物です。ちなみにBD言語仕様を試しに英語に変えたのですがやはり仕様は同じで、おそらく来年発売されるであろう北米版も同じディスク内容である確率は高いと思います。
あえて欠点を上げるならば字幕。LDの時と同じ故.岡枝慎二さんによる物ですが、意訳等の作り直しも点検した方が良かったのでは?また解説の字幕では“まず最初に大監督 黒澤明の..."と出ますが、For the first timeの意味合いが違い、タグボートの説明や、また解説の英語字幕では東映を“TOWA”と書いていたり、製品としては完全ではありません。また収録特典の欄には“屈辱の日(ブルーレイのみの特典)”と書いてありますが、実際には北米版に2001年の発売以来から収録されている物です。
それでも、私はこのディスクは間違いなく愛蔵版だと思います。日本版シーンは間違いなく高画質ですし、HDで渥美清さんの時差ぼけギャグを観ると、寅さんもBDで観たい!と思います。最後に、このディスクと一緒に“黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて”を読んで下さい。この映画の面白さが倍増する事請け合いです。
黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて