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トランスクリティーク ― カントとマルクス
 
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トランスクリティーク ― カントとマルクス [単行本]

柄谷 行人
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

 「群像」連載時の原稿をほぼ全面的に改稿し、大幅加筆。本書は主にカント論とマルクス論によって構成される。著者は、カント哲学における超越論的統覚Xを、マルクス論において、貨幣の問題として読みなおしつつ、カント哲学のアンチノミー問題を、「貨幣は存在する」「貨幣は存在しない」という命題に変更することで、現行貨幣と対比されるLETSの非資本主義的特性を明らかにしている。  本書における最大の成果の一つは、単に資本主義の構造を明確に示したことだけにあるのではなく、資本主義がネーションや国家との結合において存続する資本主義=ネーション=ステートをいう三位一体構造として存在することを指摘しつつ、それら三項が互いに還元されない独自の交換原理に自らの存在基盤を有していることを、初めて明らかにしたことにある。それは資本と国家への対抗運動を開始する著者自身の決意のなかで見出されたものであることを付け加えておく。

内容(「MARC」データベースより)

倫理性と政治経済学の領域の間、カント的批判とマルクス的批判の間のtranscoding、つまり、カントからマルクスを読み、マルクスからカントを読む企て。『群像』連載をもとに編集。

登録情報

  • 単行本: 452ページ
  • 出版社: 批評空間 (2001/9/20)
  • ISBN-10: 4860410017
  • ISBN-13: 978-4860410018
  • 発売日: 2001/9/20
  • 商品の寸法: 19.6 x 14 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 ここ二百年の社会思想を総括する圧倒的著作, 2003/7/11
By 
レビュー対象商品: トランスクリティーク ― カントとマルクス (単行本)
この本はここ二百年の社会思想を総括すると同時に、今後のあるべき社会の姿を照らし出すと言う意味で、必読、必携の書である。特に、マルクスを扱った後半よりも、前半のカントの部分が、LETS(地域交換取引制度)の持つ可能性を「純」理論的に指し示しているという意味で重要である。そして通読することで、イントロダクションと終章におけるLETSに触れた記述部分の印象が全く変わるだろう。その意味で、この書自体が「視差」(カント)の問題を提示しているのだ。資本の自己増殖に対抗するLETS(=他者とのtranscoding)の可能性は、この書によってはじめてその歴史的意義を明確にされたと言える。満を持して発刊された英語版の原書として、また、DJ的な引用が「作品」を可能にすることを証明した書としても、たとえ今後改稿されたとしてもこの書の持つ歴史的かつ実践的価値は不変だろう。プルードン(=相互主義)の再評価の嚆矢と云う面も思想史的には指摘できるかも知れない。本書はあらゆる矛盾(二律背反)の「間」に立つ現代人にとっての理論的指標であり続けている。
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28 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 温故知新のすすめ, 2002/5/13
レビュー対象商品: トランスクリティーク ― カントとマルクス (単行本)
柄谷行人という名前は前から知っていたが、雑誌への寄稿等で読んだことがあるという程度であった。この本をある偶然から手にして読んだところ、非常に興味深く、かつ興奮させられた。本書は、カントとマルクスに関する論考であり、多くの人はそれだけで興味を失うと思うが、内容は、今のわれわれにとってもきわめて示唆に富む。たとえば、カントの名言’汝および他人の人格を手段としてではなくつねに目的とするようにせよ’というのは、実は、’手段としてのみならず’ということで、カント自身は他人を手段として使うことを容認していた。こういうことで、人によっては、カントをドイツで最初の社会主義者とみなしている。このように、著者の視点は今までの我々が断片的な知識によって得た先入観を覆す常に斬新なものである。

僕が最も興奮させられたのはマルクスに関する部分である。マルクスは資本論等により、資本主義から、社会主義、共産主義にいたる道筋を理論的に定立したというイメージを持っていたが、この本を読んで、その理解の不十分さを認識した。著者によれば、マルクスは国、地域の間で交換をベースとして発展する資本のダイナミズムを実証的、思弁的に分析したのであり、将来に関する予言はしていない。そうした、マルクスの仕事をいわば予言として改変したのはエンゲルスだというのである。こうした歪曲が現在のマルクスの評価にもつながっているのであろう。このように先入観を廃して読めば、マルクスも非常に新鮮なものとなりうるのだ。

この本は、社会とその中で生きる人間についてぜひ薦めたい一冊である。

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61 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 どこに新しい知見があるのか, 2004/10/22
レビュー対象商品: トランスクリティーク ― カントとマルクス (単行本)
カント論で、実体とは他者であると繰り返し述べていますが、
だからどうしたというのでしょうか。
他者であるからこうなのだという新しい知見が展開されていないように思われます。

「経済は下部構造ではない」(303頁)と言っています。
確かに、貨幣などには幻想性がつきまとってはいます。
信用貨幣(紙とインクで作られた紙幣)は、
共同幻想によって価値が保証されています。
ですから、経済に幻想性が伴っているとは言えると思いますが、
では逆に、幻想性を伴っていない下部構造には何があるのでしょうか。

価値は交換過程で生じると繰り返し述べていますが、
これは、マルクスの労働価値説の誤解であるか、
故意の曲論であると思われます。
「マルクスその可能性の中心」でも、
価値は時間差によって生じると主張されていましたが、
価値は、生産や労働によって生じるのではなくて、
交換あるいは消費によって生じるというのに等しいと思われます。
これは別に新しい知見でもありません。

私が読むに耐えないと思った本でもベストセラーになっているものもあります。
世の中千差万別と思っています。
ですから、本書は私には合わなかったと申し上げているにすぎません。

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