●丹羽一夫さんの製作記事は、再現性が高く、理論面の解説もわかりやすい。
基板パターンも合理的である(特にアースラインを広く塗りつぶす方法は、
理にかなっているし、エッチング液の疲労も小さい)。
●本書は、「ゲルマラジオ」から「スーパーラジオ」まで、初心者向けに書かれた製作集だ。
写真も多く、実際に製作する場合も参考になるが、「電子工作が全く初めて。」という人には、
やや難しいかもしれない。
●他のレビューで「ディップメータが無ければ、ラジオの最終調整ができない。」という趣旨の
書き込みがあったが、そんなことはない。スーパーラジオのトラッキング調整は、通常の放送
を受信しながら、最大音量となるように調整すれば、実用上は問題ない。
●本書では、最終調整はデジタルディップメータの変調機能を使うように書いてあるが、この点は
読者に誤解を与えるだろう。丹羽さんの意図としては、高価なSSGやテストオシレータが無い
環境で、それらと同等の精度で調整できる手法を説明したかったのだと思う。
●しかし、デジタルディップメータをオシレータの代わりに使う方法は、(グッドアイデアだが)
そもそもディップメータも入手困難な現状では、現実的ではない。
●私は、いつもテストオシレータで調整しているが、テストオシレータを使っても、放送を聞きな
がら簡易調整しても、この程度の受信機(中波ラジオ)では、実用感度に大きな差は出ない。
●この本に出て来るスーパーラジオの回路は、周波数変換や中間周波増幅にFETを使い、
スピーカはIC(LM386)で鳴らすので、初心者でも作りやすく、「簡易調整」でも
それなりの性能を発揮する。 いつもながら「さすが、丹羽さん」という感じだ。