正直なところ、いわゆる「世界名作劇場」の中では知名度の低い作品だと思います。
そして小さな子供が見た場合、あまり感動も無く、記憶に残りにくい作品だとも思います。
まず主人公マリアがトラップ家に来た時点で18歳と年齢が高く、その考え方なども十分に大人であること。
そして、これでもかという「悪役」や「イジメ役」がいないため、世界名作劇場にしては波乱万丈な展開や
悲劇が少ないことなどが、作品のインパクトを低くしてしまっている感があります。
しかし、ある程度の年齢の人間が見ると、裕福だが母(妻)を失って荒れかかっている家族に、
一般庶民であるマリアが入り込み、前向きな性格と行動力で、ついには結婚により本当の家族として
金銭的な裕福とは異なる、心の幸せを教えてくれるという、人生の教訓になるような要素が
ふんだんに含まれていて「家族とは何か?」を考えさせられ、何かしら学ぶものがあると思います。
終盤のナチス進行に対しては、物語を手短に折り畳んでアメリカへの亡命へとなりますが、
冒険や旅ではなく、家族の絆が主題なので、このあたりは仕方ないところでしょう。
「昔、見たはずだけど、内容はよく覚えてない」といった、現在は成人以上の人に、
ぜひ見直してもらいたい作品です。派手さには欠ける部分がありますが、良作だと思います。