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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
情念の人 徳田虎雄,
By michiko (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 (単行本)
もの凄い内容。ALSとは身体を動かす神経系が壊れ、全身の筋力が失われていく難病。 その難病にかかった徳田虎雄の言葉が強烈だ。言葉といっても、透明の文字盤の文字を眼でさし、それを傍らにいる秘書が読み上げるかたちをとる。例えばこんな具合に。 <ぜんしんの きんにくは よわってしまっても あたまは せいじょうで さえわたっている げんきだった ときより むしろ ぶんかてき せいかつ かも> 徳田虎雄は昔から知っていた。日本医師会との壮絶な軋轢……自由連合代表としてタレント議員を大量擁立……。そして惨敗……。本書で著者が語っているように、私にもキワモノといった印象しかなかった。 しかし、ALSという難病を患ったからか、そして声を発することができなくなったからか、現在の徳田虎雄は、かつてのイメージと大きく異なる。彼が眼で示す言葉の数々がとても洗練されていて、けれんみがないのだ。 <これから が じんせいの しょうぶ とじようこく には びよういんが あれば たすかる ひとも たくさんいるはず> 全身不随の身となりながら、なおも前を向き続ける徳田虎雄には凄みすら感じた。 本書には、なぜ徳田虎雄がこうした情念をまとうようになったのかが、生誕地の徳之島まで遡って著者の青木理によって丹念に取材されている。 久しぶりに内容のあるノンフィクションを読んだ気がする。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
徳田虎雄、ALSとの壮絶な戦い、これぞ人間だ,
By トラトラ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 (単行本)
医療法人「徳洲会」理事長である徳田虎雄のALS(筋萎縮性側索硬化症)との闘い。この本は、トラオという人間の壮絶な物語である。そして物語はこれからも続くのだ。 これまでの生き様、ALSという不治の難病に残された最後の筋肉、眼の動き、まさに壮絶だ。 彼は眼の動きだけで自分のすべてを伝える。 ぎょろりぎょろり、と。 強い意志があり、大きな愛がある。それは常識では考えられない愛かもしれない。 しかし、結果が良ければ、いいのだ。目的のためには手段を選ばない生き方。信号無視の男。保徳戦争。日本医師会との相克。 「いのちだけは びょうどうだ …… へきちと りとうの いりょうをやる とどうじに とじょうこくの いりょうを やらねば なりません」 という愛のために、彼は生きる。 眼の動きだけで人生と勝負しているトラオは本物だ。大きな愛で人間を見つめているにちがいない。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
圧倒的な存在感がまざまざと眼前に!,
By 天下一品 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 (単行本)
ぎょろり。ぎょろり。あの稀代の病院王が昨年、基地移設問題で久々にテレビの前に姿を現わした。往時をさだかには知らないが、透明なプラスティック製の文字盤を頼りに言葉を交わすあの目の強さ、圧倒的な存在感に釘付けになった。あれから1年半、ジャーナリストの青木理さんが書いたこの『トラオ』には、徳田虎雄の過去、現在、未来が余すところなく描かれている。読んでいるこちらにまで、人工呼吸器の発する音や、ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえてきそうなぐらい、緊張感が伝わってくる。 徳田虎雄のいまだ衰えない病院建設の執念、生へ執着。逆境にあって、こんな風に強く生きられるその裏に何があるのか。それがよく分かった。
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