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88 人中、76人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
覚めない悪夢,
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レビュー対象商品: トラウマ映画館 (単行本)
映画とは覚めるとわかって見ている夢のようなものです。私たちが怖い夢を見ることがあるように、映画の中にも悪夢が混ざり込んでいます。 最初から期待して観た悪夢もあれば、期せずして遭遇してしまった悪夢もあるでしょう。 悪夢から解放された後の気まずさはそれぞれですが、大抵の場合「まあどうせ作り話だし」と私たちは自分を納得させているわけです。 しかし町山智浩はそんな悪夢を夢のままで終わらせてくれません。 映画の中で表現された悪夢が、紛れもなく現実の一部分であることを私たちに突き付けるのです。 本書で語られる救いようのないストーリーが世の中の真実の一片を伝えていると知ったとき、単に映画を見たというだけでは済まされない後味の悪さが残るでしょう。 本書で紹介される映画は残酷なまでに人間の「ある特定の真実」を切り取ってみせた映画です。 このような映画を観ることは、自分の中に鬱々とたぎる醜い感情を客観的に認識するきっかけにもなります。 格好良くありたいと願うけれど、実際にはむしろ不細工な生き方をしているのが私たちです。 私たちは地球を救ったり、悪の組織に立ち向かうことがない代わりに、やり場のない怒りを抱え込んだり、説明できない嫉妬をたぎらせたり、忘れ去ることのできない悲しみにくれたりします。 映画をきっかけにして自分の格好悪さを認めることで、自分のあるべき姿が見えてくるのかもしれません。 町山氏も、やりきれない映画の中に自分自身を見つけた切ない心情を本書で吐露しています。 読んだ後に気が滅入ってしまう本ですが、不思議とお気に入りの「トラウマ映画」を見つけたくなります。
32 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
トラウマ映画館,
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レビュー対象商品: トラウマ映画館 (単行本)
映画の見方がわかる本で取り上げた有名作品とは違いレアな作品を取り上げているゆえ、映画のあらすじを上手に読者に伝えなければならないが、筆者の文章はずば抜けている。あらすじを読んだだけで緊張感が走るほど引き込む魅力がある。また作品の紹介の順序も優れたコンピレーションCDのように抑揚が効いてて一気読みさせる。トラウマ映画館を読み終えて(観終えて)の感想は、誰にでもある未熟だが多感な時期に背伸びして大人の世界をのぞいた体験へのノスタルジーと、人間の知的好奇心への敬意である。
27 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画が一期一会の時代のトラウマ…,
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レビュー対象商品: トラウマ映画館 (単行本)
Blu-rayもDVDもVHSもハードディスクもなかった頃の時代。映画との出会いは正に一期一会でした。 どんなに気に入った映画でもリバイバル(再上映)されない限り、二度と観ることはできません。 好きな映画が上映された時など劇場の画面に釘付けです。入替制ではなかったので初回から最終回まで1日中、劇場に居て何度も観たりもしました。 後はポスターを貼ったり、パンフレットを何度も見たり、想像の中で映像を復活させるだけです。 テレビ放送などをうっかり見逃してしまった時などは何とも言えない残念さです。 本書ではテレビで洋画がたくさん放送されていた時代から、忘れられない場面から「あの映画って何だっけ?」とトラウマのようになった映画25本が紹介されいます。 紹介されている25本はメディア化されていないので今後観られるかは分かりません。wowowで「追想」は放送しましたけど…。 25本のうち、観たことがあるのは2本、タイトルを知っていて観てみたいと思っていた作品が5本ありました。その他の映画はその存在すら知りませんでした。 個人的にはトラウマ映画は「さよならミスワイコフ」ですが、今では観られない映画は多くあり、メディアで復活するのをひたすら待つのみです。 本書を読んで再び「観たい願望」が沸き上がってきましたが、どこを探しても観られないんですから、トラウマというよりジレンマです。 興味深い企画なので続編が登場することを期待しています。
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