著者は、東京大学、筑波大学卒の臨床心理士、精神科医、医学博士だそうです。私自身は幸運なことに経験がありませんが、世の中には、レイプ、DV(ドメスティック・バイオレンス)、幼児虐待、ストーカー、セクハラなどの性的被害ほか、大地震やテロのような災害によって、心に深いトラウマを負う人たちもいます。本の中では、レイプ、DV,幼児虐待などを体験した被害者が、周りの偏見や無理解のためにどれほど傷を広げさせられるか、ということについても書かれています。偏見の中には、「女性は本当はレイプされて喜んでいる」というものや、「レイプというのは見知らぬ人から襲われるものである」といったものがあるそうです。実際には、夫婦も含めて、顔見知りの犯行が多くても、被害届として警察に持ち込むことが難しいという事情があるのだということです。さらに、被害者が苦しむのは、周りに自分にも責任があったのではないかと見られたり、自分も実際にそう感じてしまう、ということにもあるようです。身近に起こりうる出来事に対し、考えさせられる本でした。