若松義人氏の著となる一連の『トヨタ式』シリ−ズには、TPS(トヨタ生産方式:Toyota Production System)の要となる部分が簡潔に述べられている。
TPSはその考え方・視点が重要であり、その実践はカイゼンを導入する企業・組織の持つ文化・風土によって、各々固有のシステム構築を行うべきものである。考え方・視点という意味において、本書で紹介されている事例にはカイゼンの本質がちりばめられている。
「問題がない」ところにはムダがある(p.20)。現象に手を打つな。「なぜ」をくり返せ(p.64)。「問題のホルダ−」・何もしないのは気づかないより悪い(p.90)。出来ない理由は百ほどもある(p.96)。これらはまさに圧巻。
TPSによるカイゼンには多大なエネルギ−を要するのだが、自らの責任として業務のプロセスに切り込むことで問題の真因を叩く。問題の根を断ち切ることが、実は「速さ」と「質」を両立させる問題解決である。
そのためには現場の知恵を絞ること。考えることによって叡智を集結し、仕事をクリエイティブなものにする。考える人をどれだけ創れるか?
そこに、TPSの真髄を見た。