まずは良い点から。「変わらなきゃ」が合言葉となっているものの、
何をどう変えればいいのか分からない――。
仕事をしている人間が共通して持っているこの大きな悩みに、
ヒントを与えてくれる内容となっている。
企業経営者だけでなく、個人の生き方を考える上でも役に立つと思う。
日本レクサスを「大惨敗」と決め付けるのは早すぎる気もするが、
著者達の主張そのものは的を射たものといえるはず。
次に悪い点。1つは、タイトルに惹かれて購入した読者の期待を確実に裏切っていること。
何しろレクサスに関する直接的な記述が全体の3分の1にも満たず、
延々と著者(の1人)の自説に付き合わされる。
この自説そのものは非常に示唆に富んだ内容で、
この手の話題が好きな者にとっては時間を忘れるほど楽しいものだが、
刺激的なタイトルで目を引いている以上、
話題の中心は飽くまでレクサスに置くべきだろう。
自説の開陳は、次の本で気の済むまでやればいい。私は買うから。
もう1つは、その著者の文章が非常に読みにくいこと。
作文そのものは悪くないと思うが、選ぶ単語がいただけない。
一般に流通している言葉に著者独自の意味を被せていきなり使ったり、
日本語で普通に書けばいいものを、
カタカナ語の羅列で意味不明にしている部分があまりに多すぎる。
『これは時間/空間を越えたグローバルなフローにおいて
バーチャルな文化を構築していく。』(P141)
など、一度で理解できる方が異常である。
学術論文や哲学書ではなく、旬な話題をネタに一般書籍として売る以上、
まずは読みやすさを徹底させるのが読者に対するホスピタリティだろう。