本書は、トヨタの情報化活動に携わってきた著者が、トヨタの社内情報システムの歴史や現状を紹介する。バーチャル・リアリティ技術を活用して設計の手戻りを減らす設計・製造支援システム「V-Comm」や、グローバル購買管理システム「WARP」、世界共通の部品表データベース「新SMS」などの紹介内容は具体的で、一読に値する。
トヨタのIT部門や関連システム子会社の役割や仕事ぶりに関する話題が少ないのが残念だが、トヨタも他の企業と変わらない面があると思えるエピソードがあり共感できる。10年後の情報システムを検討するため95年に始まった「情報システムの高度化」プロジェクトでは、「実務を知らない人の夢物語だ」と役員から批判が続出した。だが、当時の豊田章一郎会長や奥田碩社長が一喝して事態は収拾。10年後に振り返ってみると、当時のほとんどの提案が実現していたという。
(日経コンピュータ 2006/03/06 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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