トニー・ジャーの映画を語るとき、多くの人は「ストーリーはあってないようなもの」と言いますが、そうではありません。
確かに細かい点で穴だらけと思われがちですが、前作「マッハ」にしても物語のベースとなっているのは「タイの文化」「タイ人にとっての像(象)」です。日本人からすると「象のためになんでここまで?」と思われがちですが、象使いの人々にとって象は家族であり、タイ人にとっては「神の使い」でもあるわけです。
ハリウッド映画に決してこびることなく、独自の文化を世界中の観客に叩きつけるこの作品は、アクション映画としても文句なしの出来映えになっています。NO CG,NOスタント、NOワイヤーなど前作同様にこだわった演出。トニー・ジャーの動きは芸術と言ってもいいほど素晴らしいもので、自分は今までこんなにアクション映画を「美しい」と思ったことはありません。対する敵の俳優達も、無名ではありますが主役に引けを取らない達人達。よくもこんな凄い人たちを捜してきたものだと感心するばかりです。こうして考えると、まだまだ世界には「凄いヤツ」が埋もれているのでしょう。その中の一人がトニー・ジャーであり、カポエラ使いのラティファ・クローダーです。次はどんな凄いことをやってくれるのか。まだまだ期待は高まるばかりです