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トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか
 
 

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか [単行本(ソフトカバー)]

羽根田治 , 飯田肇 , 金田正樹 , 山本正嘉
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

昨年7月16日、北海道のトムラウシ山で15人のツアー登山パーティのうち
8人が死亡するという夏山登山史上最悪の遭難事故が起きた。

2月24日には事故調査委員会による最終報告書が出され、
今回の事故がガイドによる判断ミスと低体温症によるものと結論づけられた。

また1年の時を経て、同行ガイドの1人が初めて事故の概要を証言。

世間を騒然とさせたトムラウシ山事故の詳細に迫り、検証したノンフィクションである。

内容(「BOOK」データベースより)

2009年7月16日、大雪山系・トムラウシ山で18人のツアー登山者のうち8人が死亡するという夏山史上最悪の遭難事故が起きた。暴風雨に打たれ、力尽きて次々と倒れていく登山者、統制がとれず必死の下山を試みる登山者で、現場は衆らの様相を呈していた。1年の時を経て、同行ガイドの1人が初めて証言。真夏でも発症する低体温症の恐怖が明らかにされ、世間を騒然とさせたトムラウシ山遭難の真相に迫る。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 304ページ
  • 出版社: 山と渓谷社 (2010/7/23)
  • ISBN-10: 4635140148
  • ISBN-13: 978-4635140140
  • 発売日: 2010/7/23
  • 商品の寸法: 18.9 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 18,067位 (本のベストセラーを見る)
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52 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By birdsong トップ500レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
2009年に、百名山の一つである北海道大雪山系のトムラウシ山で8名が亡くなるという大量遭難が起こりました。生還者の一人がネットで盛んに活動したこともあって当時は大きな注目を集めましたが、一年もたつとマスコミでは全く取り上げられることがなくなりました。この本はトムラウシ山大量遭難の教訓を後世に伝えようとするものです。大きく四部に分かれており、第一部は遭難の経過を追ったドキュメンタリー、第二部は生還したガイドの証言、第三部は気象学および医学的な解説、第四部はツアー登山に潜む危険性の指摘と将来への提言となっています。

執筆者のうち、羽根田さん以外の三名はトムラウシ山遭難事故調査特別委員会のメンバーであり、トムラウシ山遭難事故調査報告書の執筆に関わっているようです。そのため第三部は報告書とかぶる部分が多い一方、かなり専門的な内容がなかなかわかりやすく書かれています。第一部は報告書に加え独自の取材を行った結果を足してあり、当時の新聞記事の誤りや報告書と証言との食い違いが明記されています。第二部は「山と渓谷」誌の記事を少し膨らませたもの。第四部の執筆者である羽根田さんは、ツアー登山の危険性を訴えたところアミューズ社から干された経験をお持ちで、「業界」の生々しい姿を描いています。

一般読者的には、遭難の経過に引き込まれます。力つきたガイドに罵声を浴びせつつ山を下っていく客もいれば、70歳近い高齢をおして自発的にガイドと留まり一人の命を死の淵から救い上げた大ベテランもいる。中でも、たまたまツアーで一緒になっただけの同行者を励ましながら山を下り、同行者が亡くなった後も遺体を守って一夜を共に過ごした方の姿には、淡々と描写されるだけになおさら胸を打たれるものがあります。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
同居の義父(75歳)が日本百名山制覇まで後一歩という山男なので、日頃から登山ってどんなものなのか興味があり、読みました。新田次郎「八甲田死の彷徨」を彷彿させる内容で、とても面白かったです。(亡くなった方のいらっしゃる事故で、「面白い」は不謹慎かと思いましたが、他の表現が浮かばなかったので、すみません。)やはり、記者さんが書いた章は読みやすく、研究者の方の専門的な章は少し読むのに時間がかかったので星4つです。ただ、20年間一度も本を読んでいる姿を見たことのない義父が2日間で一冊読んでしまったのでびっくりしました。やはり中高年の登山経験者の方には、とても興味深く、ためになる内容だったようです。臨場感があり、お勧めです。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
実に印象深いニュースとなりました。
実はこの2,3日後の週末、夏の富士山で低体温症にかかっていたものですから
毎日報道される記事の内容と自体験を持って登山愛好家としてどう対処すべきか
どう準備すべきかを考えさせられる内容となりました。

トムラウシと言えば登山愛好家の憧れの山です。
翌年の2010年に私も逆コースではありますがトムラウシ温泉からの
逆アプローチをほぼ同コースを辿っています。

遭難者の続出するトムラウシ公園、ロックガーデン、北沼、それからヒサゴ沼に
至る長い雪渓。記事で読んだ場面を想像しながらの登山でした。
中でも雨に濡れてガス(霧)の発生したロックガーデンは遭難者の無念さが
飛び交っているような、重たい空気があったことを覚えていますし、
またそう感じている方もいらっしゃるようです。

登山をされない方は「登山しない一般」知識で物事を語るため、
山での非常識に感じるところも幾つか感じられます。
まず多くの方はご存じないかと思われますが、トムラウシの縦走コースでは
毎年1,2日は帰らぬ人となっていますが報道されることは滅多にありません。
剱岳で滑落する人が年間何人もいるのに報道されないのと同じです。
また、ヒサゴ沼避難小屋はあまりの遭難者の多さに、亡くなられた方を
ご家族に持つ方々の募金によって建てられた小屋でもあります。
本書では近々もう1箇所くらい小屋を新設することになるだろうとあったのは
本当に喜ばしいことですし、ある女性のコメントにもあったように、
登山者をあまり来させないために小屋が少ないと思った、というのも
確かにあると思います。

今回の遭難事故で亡くなられた、生還した人との境目を見ると、
登山歴10年を境にしており、山の安全管理意識の違いが明確に出ています。
特に北海道の山はアルプスなどと違って、次の小屋まで10時間以上あることも珍しくなく
小屋が食糧を出してくれるわけでも寝床を供給してくれるわけでもないので、
寝袋や調理器具は勿論、水(北海道では衛生的に水も煮沸しないと飲めない)や
食糧、予備食糧、着替えなど、重さは膨大なものになります。
私が登った時は20kgをゆうに越えました。テントまで持てば相当の重さです。
意識朦朧となって救助されたガイドは肩にめりこむくらいと証言していましたが
リュックの紐も負担が軽くなるように柔らかい素材でできているにも関わらず
めりこむという表現をするくらいなのですからどんだけの重さを抱えているかは
ある程度は想像できるのではないかと思います。
また、チームリーダーで亡くなられたガイドは70リッターのリュックの外にまで
リュックカバーとの間に物を入れるほどですから恐らく40kg近くはしていた
んじゃないかと思います。そんな重さを1日10時間も歩くのですから
それでまともな判断というのはそう簡単にできるものではないです。
私自身も登山歴長いですが、トムラウシ縦走ほど疲弊した登山はありませんでした。

一般人の方が読んだ感想と、登山愛好者が読んだ感想はまた違った視点で見れて
くるので自分の登山にどう生かすか、生かせるか。また、これまでもっていなかった
レスキューの知識についてもいざと言う時のために覚えておこうと思う人も
きっといるはずだと思います。

9月の残暑の暑い中、本書を読みながら寒気まで感じるほど、臨場感で読み応え、
考えさせられる本書です。
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