建機の魅力を凝縮したようなミニカー。ヘビーデューティを極めている。鋼板は分厚く、タイヤは大きく、塗装も厚く光沢が強い。ベッセル(荷台)は「ゴツッ」と動き、土砂を「ダンプ」(dumpどさっと投げ出す)できる。強烈な個性が分かりやすいので、「特殊車両」に関心がない家庭の最初の1台にこそ一押しだ。
トミカ No.114 自衛隊 軽装甲機動車 (箱)も特殊車両の傑作だが、建機の方が平和用途だ。
1/185スケールに縮小してあるが、それでもミニカーの中でダントツに巨大で重い。乗用車と同価格なら間違いなく「お得」だろう。価格10倍以上のNZG #117のMagirus Deutz Dump Truck (1/60)と比べても、費用対効果は抜群だ。石炭を露天掘りして積み込むという用途ならば、縮尺が2倍違うが、
トミカ ロングタイプトミカ No.140 カワサキ重工業 バケットホイールエキスカベータ(1/350)と組み合わせるとピッタリだ。
EH3500ACIIは、世界の大規模鉱山向けに開発されたマンモス機だ。6畳2間を5軒並べた2階建アパート(32.5坪)、または乗用車30台分(縦列2台x横幅5台x垂直3台)に相当する。フロントにはたすき掛けに「バー」が伸びているが、これは地上4mの運転席によじ上るための階段だ。全長13.5m、全幅8.01m、全高6.77m、重量325t、積載量185t。リジットダンプトラックは是非、実物の画像を見るべきだ(伊豆のコマツテクノセンター等で実物を見る機会があればもっと良い)。ガンダムにも近い非現実的な巨大さに、子供はもちろん大人でも興奮するはずだ。
http://www.hitachi-kenki.co.jp/news/press/PR20080716193744133.html
2008年発売の最新鋭機だけあって、国内最大級の「電化されたディーゼル車」でもある。ディーゼル・エンジンで発電機を回し、電気でモーターを回しているのだ(AC駆動式)。変速機やブレーキも歯車や潤滑油を使わず、代わりに、新幹線で培われたインバータ技術で制御する。ただし、エンジンとモーターを切り替えられるハイブリッド車と違い、発電した電気をバッテリーに蓄電しないので、エンジンを止めたまま電気だけで走行することはできない。
EH3500ACIIを気に入ったら、
Walking with Giants: Europe's Massive Earthmoversも是非手に取って欲しい。欧州の大型建機の豪華写真集だが、費用対効果が良い。ミニカーと洋書を対にしたプレゼントも洒落ていると思う。第4章フィンランドではEH3500ACIIがほぼ主役で、鉱山現場での写真や運手者の感想なども特集している(pp.59-76)。2009年に採掘を始めたTalviaaraニッケル鉱山は、欧州で初めて、EH3500ACIIを8台も購入した。同鉱山は非常に大規模で、日立建機のマンモス油圧ショベルEX3600や世界最大のホイールローダー、コマツWA1200-3も使っている。ちなみに、第5章のスペイン編で紹介されるVictorino Alonsoグループ(UMINSA社等)は、日立建機の最大級の油圧ショベルEX500を13台も購入し、本の表紙写真にもなっている。日本では想像もできない規模だ。
http://www.talvivaara.com/
http://www.myhitachiexperience.com/cases/131/uminsa-ex3600-6.html
建機ミニカーの個人的ベスト3
1.
トミカ No.102 日立建機 リジッドダンプトラック EH3500ACII (箱):デカくてゴツい。
2.
トミカ No.073 コベルコ ラフテレーンクレーン パンサーX 250 (箱):アーム伸縮率とデザインが良い。
3.
トミカリミテッド 0119 日産ディーゼル ダンプトラック:リミテッドだけあって塗装と細工が繊細。