へー、こんな機械があったのか!」「こういう仕組みなのか!」と驚くだけでも、存在意義がある。クワガタかゴキブリのように平べったい車体は異彩を放つ。前部のホッパーも後部のスクリードも左右に動くが、精密な作りだ。トミカには購入後に自分でシールを貼らせるものがあるが、このベトナム製品にも簡単な貼付け作業が必要だ。唯一の「難点」は、コマツやサカイの黄色、日立建機のオレンジの中で、緑色の車体が浮いてしまうことだ。が、実車のままの色なので仕方ない。
舗装の作業工程を知っていると、アスファルトフィニッシャはグッと面白くなる。道路工事の名傍役、いや準主役かもしれない。日中の日常生活ではあまり見慣れないが、どの道路もこれなしには舗装できない。ダンプトラックで運ばれたアスファルト混合物を、まず前部のホッパーに積み上み、床下のフィーダー(コンベア)で後部に送り込む。後部では、スクリュー状のスプレッダーが均等にまき散らし、スクリードがバーナーで熱して締め固める。工程の解説は大人には
建設車両の仕組みと構造が分かりやすい。
F1741W3は、舗装幅1.75-4.1mのミニクラスで、生活道路向きだ。全長5.355m、全幅1.94m、全高2.005m、重量7.18t。車幅が狭く、ホッパーもスクリードも車幅まで折り畳めるので、細い私道に入れる。フィーダは2条搬送方式なので、散布が早い。RV3連スクリード「Z Screed」は、3つのスクリードプレートで1.75-4.1mの幅を無段階伸縮するらしい。
The大型特殊車両 (別冊ベストカー)(pp.78-81)でも、F1741W3ではないがアスファルトフィニッシャ(住友建機HA60W-7とCAT MF61WF)の解説がある。
http://www.hantak.co.jp/product/asphalt/wheel/f1741w3.html
ちなみに範多機械は、「そんな無名会社、知らないぞ」などと言ってはいけない。「日本最古の外資系企業」の末裔の一端だ。今でこそ「HANTA」ブランドだが、明治初期に遡れば「Hunter」だった。勘の良い神戸人なら、ここで「あっ」と手を叩くかもしれない。なぜなら、明治7年創業のE.H.Hunter商会(範多商会)の機械部門が同社の前身だからだ。この創業者エドワード・ハズレット・ハンター(Edward Hazlett Hunter)こそ、神戸異人館「旧ハンター住宅」の主、そして範多財閥(のちの日立造船)の父だ。旧ハンター住宅は、神戸最大の異人館として国の重要文化財に指定され、王子動物園内で展示保存されている。同時代のトーマス・ブレーク・グラバー(Thomas Blake Glover)とE.H.ハンターは、「長崎グラバー邸」「旧ハンター住宅」と自宅が有名な観光名所になった点でも、「Glover→倉場富三郎」「Hunter→範多龍太郎」と息子が漢字姓に日本化した点でも似ている。
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/foreigner/sub6.html
道路舗装ではたらく車
トミカ No.059 酒井重工業 タンデム振動ローラ SW502-1 (箱):下地とアスファルトを踏み固める。スケール1/50。
トミカ ロングタイプトミカ No.123 酒井重工業 ロードカッタ ER552F: 古いアスファルトを熱して溶かして剥ぎ取る。スケール1/91。
No.24 コマツ モーターグレーダー (サック箱): アスファルトを敷く前に道路を均す。ノンスケール。
トミカ No.056 コマツ ブルドーザD155AX-6 (箱): アスファルトを敷く前に道路を均す。1/109。
SIKU 道路舗装車 1/87 SK1333: 海外製のアスファルトフィニッシャ。スケール1/72。
教育的含蓄のある特殊車両ベスト3
第1位
No.066 ヤンマー コンバイン AJ218 (箱)第2位
トミカ No.014 コマツ 対人地雷除去機 D85MS(箱)第3位
トミカ No.002 範多機械 アスファルトフニッシャ F1741WZ(箱)