個人的には、ローレンス・スターンが「トリストラム・シャンディ」のノリのまま「センチメンタル・ジャーニー」を書いたような感じのまま、読んだ。
全体のストーリーを追うには、登場人物は多いし、それぞれのエピソードのつながりが見えないしで、そのまま合計1000ページ以上を読むのは、大変といえば大変。でも、それは覚悟のこと。一つ一つのエピソードを楽しむことにした。問題は、そうした読書がいいかどうか、なのだが、美しいラストシーンは、そうしたことを肯定しているんじゃないかと感じるものだった。
人生って、結局は不連続なエピソードの積み重ねだし、読者はメイスンに寄り添って、それをたどっていけばいいんだって、そういう読書でいい、そういうのが、ピンチョンの読者に対するメッセージなんだって、そう感じとった。
何だか、高い山を、周囲の景色を楽しむことなく、登って降りたような読書という気もするけどね。