くだけた文章に必要のない笑いの要素。手描き風イラスト。これぞ昔ながらの典型的な新書スタイル。
書名が『トポロジーの発想』であるにも関わらず、カンジンの「トポロジーの発想」について最後まで明確に語られていない、という印象を受けた。何せ最終章である第13章の章題が「トポロジーの発想」、つまり、最後の最後にようやく語られるのである。全体として、トポロジーと何らかの関連のあるトピックを単に並べただけ、という印象。しかも多くの章では内容も浅いと思う。どうやら、全体を読んで通底する「トポロジーの発想」を読者自ら感じ取れ、ということらしい。
後半の「次元」や「非ユークリッド幾何学」「オイラー標数」等についての章はそれなりに面白かったので、新書とはいえ体系だった書物になっていないのが非常に残念。