東洋では西洋に比べ修辞学・弁論術といった分野が発展しませんでした。風土や文化の影響もあるでしょうがアリストテレスのように議論の立て方・進め方を分析する人間がいなかったことが大きいと思います。
さて東洋で修辞学・弁論術について言及しているのはおそらく韓非子だけです。ただ韓非子にしても議論の種類や「矛盾」の存在は知っていましたが、それらを深く分析することはありませんでした。その点アリストテレスは議論の立て方・進め方を分類・分析し彼の論理学の体系は「オルガノン」と呼ばれています。その中で『トピカ』は導入編とも呼ぶべき作品で、議論を立てる際の要点が述べられています。
本書に関していえば「西洋古典叢書」の名に恥じない読みやすく正確な翻訳だと思います。同著者の『
魂について』とともに読むことをおすすめします。