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トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫)
 
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トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫) [文庫]

トーマス マン , Thomas Mann , 高橋 義孝
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

精神と肉体、芸術と生活の相対立する二つの力の間を彷徨しつつ、そのどちらにも完全に屈服することなく創作活動を続けていた初期のマンの代表作2編。憂鬱で思索型の一面と、優美で感性的な一面をもつ青年を主人公に、孤立ゆえの苦悩とそれに耐えつつ芸術性をたよりに生をささえてゆく姿を描いた『トニオ・クレーゲル』、死に魅惑されて没落する初老の芸術家の悲劇『ヴェニスに死す』。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

マン,トーマス
1875‐1955。ドイツ、リューベックに生れる。実科高等学校を中退し、火災保険会社の見習い社員となるが一年で辞め、大学の聴講生となる。1894年、処女短編「転落」を発表し、詩人デーメルに認められた。1901年『ブデンブローク家の人々。ある家族の没落』で注目を集め、以降、「トニオ・クレーゲル」「ヴェニスに死す」「マーリオと魔術師」など活題作を次々と発表。’24年、11年の歳月を費やして長編『魔の山』を完成させた。’29年、ノーベル文学賞受賞

高橋 義孝
1913‐1995。東京生れ。東大独文科卒。九大、名大等で教鞭をとる。翻訳の他、評論、随筆でも高い評価を得た(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 259ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1967/9/27)
  • ISBN-10: 4102022015
  • ISBN-13: 978-4102022016
  • 発売日: 1967/9/27
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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滑稽と悲惨 2009/10/6
By Tod
 トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』の邦訳は複数あるが、初めて読んだのが高橋義孝訳だったという個人的理由により、思い入れは本書が最も強い。
 詩人にあこがれる少年トニオ・クレーゲルは、快活な友人ハンス・ハンゼンや金髪の美少女インゲボルグ・ホルムに一方的な想いを寄せるが、彼らから愛されることは決してない。やがてトニオは故郷を離れ詩人として成功するが、友人で画家のリザヴェーダ・イヴァーノヴナに「迷える俗人」というあまりありがたくない称号を与えられる。
 ある日トニオはもはやだれもいない故郷に帰る。かつての自分の邸宅は図書館になっており、あやしまれたトニオは警察につきだされそうになる。
 宿泊所でトニオはハンス・ハンゼンとインゲボルグ・ホルムのそっくりさんに出会う。物陰から二人を見つめながらトニオは郷愁に胸を押しつぶされそうになる。自分が仕事をしたのは君たち二人のためだったのだ。自分の部屋に戻ったトニオは、昔と同じ孤独な自分の姿にすすり泣く。
 学生時代に読んだとき不可解に思った「どうして本人ではなくそっくりさんとの再会なのか」という疑問は、しかし今となっては氷解している。歳を取ったかつての親友や恋人と会っても、待っているのは幻滅だけである。美しい思い出を壊さないためには、たとえ別人でも若い二人が必要だったのだろう。
 全ての文章が詩のように美しい。思い入れが強すぎて客観的な評価がもはや不可能な作品である。とはいえこれはやはり勝者の文学であろう。トニオは彼が最も愛する人たちからは愛されなかったが、その代わり読者や評論家たちからは愛された。地上の愛は手に入れられなかったが、名声は手に入れることができた。しかし現実にはどちらも手に入れられないのが人生というものなのだ。哀愁と郷愁と憧憬と嫉妬と、そして何よりも残酷な美しさをたたえた名作中の名作である。
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31 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
トーマス・マン27歳の時の作品で、鬱屈した一面と情熱的な一面を持った若い文筆家の魂の遍歴を描いた『トニオ・クレーゲル』と、マン37歳での作品で、初老の芸術家が美しい少年に魅せられ朽ちていく『ヴェニスに死す』所収。

『トニオ・クレーゲル』には、ドストエフスキーの『罪と罰』の中で、金貸しの老婆とともに殺される白痴の女と同じ名前の芸術家リザヴェータ・イヴァーノヴナという登場人物が出てきます。マンは、彼女と主人公トニオのあいだで芸術家とは何かの議論させ、トニオは「迷える俗人」であると彼女に宣言させます。また、『ヴェニスに死す』においては、結果として死に至るとしても、美とともにあろうとする芸術家アシェンバハの姿を描きます。

つまり、両作品に通底するテーマとして、芸術家とは何か、美の源は何か、という問題に対するマンの真摯な思索があるように思います。美や芸術は理屈で理解するものではなく感性で感じとるものであるのに、それを産み出す芸術家は、時には苦痛をも伴う精神的作業や衒学性を要求されてしまう。特に、感性に冷や水を浴びせかねない言語という道具を使って芸術を創りだす作家にその傾向が強い。そんな二律背反に苦悩しながらも、芸術に生きるほか自分の途はないと確信するマンの姿が読み取れます。

訳文がかなり読みづらく、何度読み返しても意味が通じてこない部分があるのが残念です。

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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
美しい小説。 2011/2/13
By
 「トニオ〜」の話は観念的だが、芸術と俗物のせめぎあいが美しく光る話。貴族の生活、芸術家の旅・・・どうして人はこの二者択一を迫られるのだろうか。もっと自由に生きる方法はないものか。その葛藤が、論理的かつテンポよく展開されている。哲学的な内容でもあり、読み応えがある。

 「ヴェニス〜」・・・こんな美しい話に出会ったのは久しぶりだ。話の筋を平たく言えば、作家のおっさんが旅先で美少年に魅せられて、ちょっとしたストーカーをし、その美をひたすら讃える・・・と言ってしまえるが、これだけではこの話の良さが分からない。最大の魅力は、そのディテールにある。読みすすむうち、美少年とイタリアの景観にぐいぐい吸い込まれていくこと請け合い。選び抜かれた、一つ一つの言葉が、輝いている。ゴンドラが、海に映る日の輝きが、目に浮かび、すっかりヴェネツィアに魅せられてしまう。本書とあわせて、映画のほうも観たくなる。
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投稿日: 4か月前 投稿者: yoshioki6
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芸術とは何か、芸術家とは何者かをテーマにこれほど密度の高い短編小説は滅多になく、素晴らしい。どちらも必読書と言える。... 続きを読む
投稿日: 2009/8/9 投稿者: かじょ
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トーマス・マンの芸術観を一身に再現したトニオとアッシェンバッハ、この両極端な芸術家の生き方を作家の変わりに訳者として代行したのが義孝(ギコウ)先生。ギコウの呼び名... 続きを読む
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投稿日: 2008/10/8 投稿者: テルケル
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ところどころ
ところどころ古く感じられる文章がありますが、これは翻訳のせいではないでしょう。... 続きを読む
投稿日: 2008/8/8 投稿者: 4223
名訳で贈る最高傑作
 これほどの優れた翻訳は珍しい。もはや故人となってしまわれた高橋氏の業績に敬意を表したい。... 続きを読む
投稿日: 2006/12/13 投稿者: 田中太郎
たぶんに
... 続きを読む
投稿日: 2006/11/2 投稿者: するめいか
迷える俗人
トニオは決して俗人の輪に入ることなど出来ないが、それでも自分はその人間的なもの、生命あるもの、平凡なものへの俗人的愛情を根底に持っていることを最後に悟る。続きを読む
投稿日: 2006/8/22 投稿者: Confesion Del Viento
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