ユニセフの親善大使の黒柳徹子さんと、チェルノブイリやイラクへの医療支援を行っている鎌田實さんの対談です。
日本よりはるかに貧しい国で出会ったエピソードを紹介しあいながら、二人のはなしは、自然と生い立ちや家族、生きる力を与えてくれた恩師の教えに続いていきます。
子どもの頃の体験が『窓ぎわのトットちゃん』で有名になった黒柳さんは、最近よくきくLD(学習障害)の代表のようにいわれます。
でも、黒柳さんは、自分がLDだったかどうかなんて気にしていません。落ち着きがない子だった黒柳さんは、すべてを受け入れてくれる先生に出会い、自分を信じることができるようになったからです。
鎌田さんは、心臓に病気をかかえる母親と、治療費を工面するため一生懸命はたらく父親に育てられました。
鎌田さんが医学部へ進むとき、鎌田さんは、2つの約束をさせられました。
ひとつは、弱い人を大事にする医師になること。もうひとつは、自分の責任の中で生きていけ、ということでした。
東京の国立大学を卒業して、“都落ち”と言われながら信州の病院へ就職することを決めたときも、チェルノブイリやイラクの病院を支援すると決めたときも、父親との約束が背中を押してくれます。
そんな2人が、国際的な活動をするようになって感じたのは、日本人の生きる力が弱くなっているのではないかということでした。
日本で子どもたちが生き生きとしている姿を見ることは少なくなり、日本よりずっと貧しくて大変な環境で生きている子どもたちのほうがもっと目を輝かせている。
「何かぼくたちの国づくりは間違っていたんじゃないかと
考えさせられる」
と鎌田さんは語ります。
こういう本は速読に向きません。
私も、1日1章ずつ、いとおしむように読ませてもらいました。
ゆっくりと、2人の会話に耳をかたむけてみましょう。