女ってこえええーーー!
高殿円すげえええーーーー!!
…という読了後の雄たけびから始まるレビュー。
新米国税徴収官のぐー子こと鈴宮深樹と鬼の「トッカン」と呼ばれる鏡雅愛が活躍する、
お仕事エンタメ小説第2段。
今回は、鏡特官の担当滞納者の自殺をきっかけに、税務署と不倶戴天の間柄にある勤労商工会が
戦いを挑んでくるというスリリングな展開で幕を開けている。
仕事を始めて4年目にも入り、いろいろ煮詰まってきたぐー子は、あっちでこっちで窮地に立たされるし、
肝心の鏡はあんまりでてこない上にそっけないしで、最初から最後までハラハラしっぱなし。
しかし、一番胸に来たのは、本巻の根幹にある、自分だけの居心地のいい立ち居地――「すき間」、
そして、女達が生きるために纏う、本音を包み隠す究極の鎧――「体裁」のエピソードだ。
ぐー子は、私によく似ている。
私だけではない。きっとぐー子は、働き始めて3年目を過ぎた社会人みんなの姿を反射する鏡だ。
社会人として新人の時期がすぎても失敗ばかり。
これといった特技もなく、クレームもまともに対応できない。
集団の中にいてもどこか居心地の悪さを感じてしまい、一人でいる方が気楽に感じる。
経験を重ねた先輩と希望に満ち溢れた後輩との間でぎこちなくなり、他人と自分を比べてしまう。
家族とも軋轢を抱えていて、つまらないプライドが邪魔をして、意地を張るのをやめられない。
まるで鏡に映したようにそっくりだったので、初見の際は背筋がぞっとした。
やはり高殿さんは、女の心の淀みといった仄暗い感情を指摘するのが上手い人だ。
本巻の真骨頂は、第5章の終盤と単行本化に当たって加筆された第6章。
彼女の描く女達は、決して少女マンガの女の子達のように、きゃあなどと品良く悲鳴をあげたりしない。
それこそ、これまでファンデーションで塗りに塗り固めてきた「体裁」の仮面をかなぐり捨てて、
魂の奥底から響くような叫び声をあげる。
それは、女の私から見てもあまりにも恐ろしくて、そして悲しい。
百聞は一見にしかず。
私の口で語るよりも、まず皆さんにお手にとってもらいたい。
そして、その目で、心で確かめてほしい。
彼女達の、苛烈なまでにほとばしる、本音の在り処を。