福島原発崩壊による放射能被害で一進一退している今、核の話題でもなかろうと相当躊躇しましたが、今だから関心を寄せて見てもらうのもよいことだろうと思います。
*「核融合」と「核分裂」とは違う
ウラン原子に中性子をぶつけて核分裂をさせプルトニュウムを発生させる所謂今日の”原発”とは異なります。基本原理は水素の核融合反応の「太陽」です。今日の原発のウラニウム放射能が半永久的に高レベルで放射しつづけるのと異なり放射は減ります。
*無限の資源
資源は重水素と三重水素で、資源は数万年。人類夢のエネルギーと言われています。核融合反応は材料供給を止めれば反応も止まります。福島原発は核分裂を止められないために問題になっています。
*世界共同開発=ITER実験炉
欧州、米、露、日本、中国+韓国(カナダ財政難のため途中棄権)の5ブロックで共同開発しています。ITER(イーター)実験炉が現在フランスのブルゴーニュではじまります。そして2050年に実用機の稼動を目標にしています。ITER日本チームでは研究者や経理、保安などの支援スタッフを募集しています。当初、実験炉建設の最有力地は日本でした。しかし、フランスが分担金を多く出すことで強力に誘致しました。フランスが80%の電力を原子力でまかなっていることを、最近でこそマスコミで周知のことになってきました。未来型核融合エネルギー実用化にフランスはそれこそ必死なわけです。
*成功の鍵は新素材開発
耐熱、耐破壊性能があり可塑性がある素材の開発に成否の全てがかかっていると言えそうです。そして、著者を含む日本のITERスタッフは「見通しはあかるい!」として意気軒昂です。それも、日本の企業の技術力の裏づけがあったことによるのでしょう。しかし、今回の津波による被害で、世界的な品質管理における日本の神話に近い信頼は大きく揺らぎました。もし、ITER実験炉建設が、当初の予測通り日本になっていたらどうなっていたでしょうか?茨城県那珂町にある現在の那珂核融合研究所が予定地でした。
以下は当研究所ホームページ上の被災報告書です
平成23年3月11日に発生しました「東北地方太平洋沖地震」により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
(独)日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所の現況について下記のとおりお知らせいたします。那珂核融合研究所においては、現在、順次設備の点検を実施しているところですが、一部の建家・設備・機器等に損傷はあるものの、環境への影響、火災、重篤な怪我等はありませんでした。
現在は全施設の電気、工業用水、上水は復旧しました。また設備・機器等の詳細な点検を実施しつつ、復旧作業の準備を進めております。一部の施設・設備の復旧については、完全復旧にある程度の期間を要すると予想されますが、職員一同、関係者及び各機関のご協力を得ながら復旧に全力で取り組んでいく所存です。
今後の復旧に向けて皆様のご理解とご支援をお願いいたします。
平成23年5月10日
那珂核融合研究所長 二宮 博