この映画は面白い。自由とは何か?自分の世界は本当の世界か?という問いや、何も起こらないような人生と思っていても、実は誰もがドラマのような人生を送っているんだ、ということを教えてくれているような気もする。そのあたりも面白いのだが、私にはこの映画の中にあるメディア批判の部分が一番気に入った。一般大衆の覗き趣味を刺激して、視聴率を稼ぐためだったら人の人生なんて死も含めて商品として扱ってしまう。後半部分の”監督”の動き、会話の中には自分を神(Creater)にまで昇華させてしまいトゥルーマンはおろか一般大衆まで見下ろす態度。しかし全世界に影響を与え、すべてが自分を中心に動いていると見えた監督の最高傑作トゥルーマンショーの映像が突然切れた後に視聴者が最初にしたことはテレビガイドを見ることだった。所詮は神様にまでなった監督の人生をかけた作品などは暇つぶしの何物でもなかったことを見せ付けてくれる。
この映画はもちろん作り物なのだが、よく考えると同じようなことはすでに日本を含めてどの世界でも起きているのではないだろうか?傲慢で我々大衆を見下ろし世界を自分達がリードしていると勘違いしているメディア、被害者の立場に無頓着で覗き趣味だけを刺激し続けるワイドショー、外国に行ってはありもしないステレオタイプを故意に強調し、現地(ニューギニアとか)の人を日本に招くふりして晒し者にし、文化交流にかこつけて実際は日本の優越性を演出するテレビ局。こんな番組なんてもううんざり。そんなことを考えさせられた映画です。