諸星大二郎とグリム童話の組み合わせ。どんな物語が展開されるのか
楽しみに本を開きましたが、期待は裏切られませんでした。
個人的には最近の諸星作品のなかのベストだと思います。
卓越したストーリーテラーとしての諸星先生の才能が、
今までにない境地を切り開いているように感じました。
誰もが知っている童話が、多種多様な解釈ができる騙し絵のような世界に変貌したり、
馴染みのない物語が人間心理の奥を覗くような不気味さと深遠さを感じさせたり。
どの話も怖くそれでいて美しく、読み返してみたくなる魅力に溢れています。
遊び心いっぱいの「夏の庭と冬の庭」、少女の心の中の迷宮「ラプンツェル」等々・・
中国伝奇の世界や「稗田礼二郎シリーズ」等で諸星作品に触れた人は是非どうぞ。
「諸星ワールド」の奥深さを改めて感じること請け合いですよ。