前作から3年ぶりということで今年の新譜の中でも期待の大きかったフランツ。
やはり、3年も経つと彼ら自体の嗜好や音楽に対する姿勢の変化もあり、1stや2NDとはかなり異質な出来です。
彼らの良さというとTake me outやDo you want toのように聴き手を一発でノックアウトする踊れるロックナンバーを書けるところでしたが、今回はほぼそういった要素は排除されています。
基本的に彼らの曲のBPMは前作までは大体120程度ぐらいでした。この辺の速さだと結構踊りやすい。
でも、今回は先行になったユリシーズを聞けば、分かるようにかなりテンポダウンしています。
アルバム全体としてもBPM100ぐらい、これって結構ミドルテンポなんです。
でも今作のTurn it outやNo you girlといった曲には絶妙なリズムアプローチや展開は確実にダンスフロアーを沸かせられるだけのグルーブ感がある。
ここに今回のアルバムの肝がある。
正直、メロディにポップさはないです、結構ビターだと思います。
一度聞いただけでは、このアルバムの良さを感じるのは難しいかもしれません。
ただ、今回のアルバムは今までで一番、音楽的に強度があるアルバムなのではないかと。
曲自体は今回、プロデューサーで起用したダン・キャリーのキャリアから分かるようにCSSやサントゴールドといったダンス/ロック・ミュージシャンと共振する所が多いです。
ただ、彼らが偉かったのはそうしたトレンドに乗りながらも自分たちの個性をきちんと残してる所だと思います。
彼らなりの野心作であると同時に、現在のイギリスのトレンドを感じさせるアルバムです。
ファンよりもむしろ、フランツなんて今までポップすぎて聞けなかったという人にお勧めの作品。