唐突ですが、スターに恋焦がれた経験をお持ちでしょうか(笑)?
私は10代の時、実はあるアイドルタレントに憧れ、ファンレターを1度書き綴った事がある。
所詮は叶わぬ恋心とは言え、せめてその存在を知って欲しいと、手紙の最後に読んだ証としてサインが欲しいと返信用の葉書まで同封したのだが(笑)待てど暮らせど来ず仕舞い。
結局、1年以上経て、いかにも形だけのサインが届いたのだが、その時は既にこちらの想いもとうに醒めてしまっていて、何ともしらけた気持ちになったのを憶えている。
有名人を好きになると言う事は、正に一方通行の恋、と言うか、こちらがどんなに相手の事を慕おうとも、相手は自分の存在など全く知らないと言う何とも虚しく悲しい行為なのだ。
今作は10歳の時からドリュー・バリモアに憧れ、TVのパイロット版クイズ番組で獲得した賞金で30日間の猶予でドリューとデートするとの企画で映画を撮り始める27歳の男のお話である。
最初、彼の風体や日常を見て、そのボンクラぶりに“どこまで本気か?”と冷ややかに観始めたのだが、思いのほか、その懸命でひたむきな奮闘ぶりに引き込まれ、おおいに笑わされたり、時に身につまされたりしながらも(彼女のそっくりさんで模擬デートを敢行するシーンの涙ぐましさ!)、知らず知らずの内にその夢の成就を応援せずにいられない。
果たして彼の想いはドリューに届くのか?、それは観てのお楽しみだが、ラストの20分間に彼が見せるシチュエーション毎の顔の喜怒哀楽の表情の豊かさには感動させられた。
いかにも色物的な企画だが、スターに恋焦がれた人のみならず、片想いで自分の思いを告げられない(なかった)人たちにも必見の1本。