デリダは「声と現象」を読んで、マルクス以来の緻密な論理展開に魅了させられました。次に「グラマトロジーについて」を読みかけ、途中この本を何の予備知識もなく、読みました。これはニーチェ以後の西欧思想を理解するには最高の書です。昔かじりかけだった、ニーチェもフロイトもハイデガーも、ラカンら構造主義もみんな目からウロコでした。人の考えを理解することには、その理解の度合いというものがある。同じ本を人それぞれが読んで理解する場合、そのそれぞれが同じかというと、どうもそうでないみたいですね。カントでもヘーゲルでも、思考する深さというものは、やはり、すごい。スピヴァクはどのレベルの深さかは分かりませんが、ニーチェ以後を理解するのに、これほど簡潔で分かりやすい書はないと思います。西欧ロゴスの限界をギリギリのところで、ロゴスによって理解させてくれます。