15巻であるこの本は、15年間続いたデュアン・サークシリーズの完結を
読者へと告げる一冊、つまり最終巻です。
今度こそ最終巻という事で、自分の好きなお話がどのような結末を迎えるのかが
楽しみであり、又、それが少々不安でもありました。
しかし、本書を読み終わった今の私は非常に晴れ晴れとした気分です。
一抹の寂しさを感じないと言えば嘘になりますが、それでも、このシリーズを
第一部から読み続けてきて良かったと、私にとってそう思える最終巻であった事は
間違いありません。
最終巻という事で詳細には触れませんが、話の流れ(パート)は大きく分けて
闇魔との戦い・戦いが終わった直後・その後……と、大体ですが三つになります。
その為か戦争パートは思っていたよりも短いような気がしましたが、全巻を
通してみれば闇魔との戦いは非常に長いものでしたので、それを考えれば本書の
戦争パートは妥当な長さだと言えます。
戦いの爪痕はしっかりと刻まれ、戦いが終わってからも人々の疲労感を改めて
感じる事かと思います。華やかさはあまり感じません。
しかし、決して派手ではないけれどじんわりと胸を温かくするような雰囲気や、
新たな始まりを感じさせる穏やかな風は、文章からもしっかりと伝わってきます。
闇魔との戦いの結末を見届けた多くの人々が、いかにして日常へと戻ってゆくのか。
多くの経験をしたデュアン達が一つの区切りを経て、どのように成長したのか。
本書はそこに重点を置いているのだと思います。
だからこそ本書を手に取った方には、辛く険しい道程を乗り越えてきた登場人物を
労うように一人一人を今一度じっくり見て欲しいなと思いました。
巻によっては描写が駆け足だったり、不完全燃焼気味だったり、そして恋愛模様が
泥沼化していた事もありましたが、本書は一つ一つの事柄がきちんと完結しています。
魔女の森で迷子になったデュアンが、そこで運命的な出会いをした事から始まった
デュアン・サークシリーズはこれにて完結となります。
しかし、デュアン達の冒険は此処で終わった訳ではありません。
最後まで読んだ後に、もう一度10ページを開いて「冒頭の決まり文句」をどうぞ。
前のレビューにも書いたようにデュアン・サークシリーズは大好きなお話なので、
最終巻というのは非常に寂しいのですが、きちんと自分の納得のいく形で物語に
一区切りを付けて下さった深沢氏には多大なる感謝を。
今までお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
これからもまた機会があればサイドストーリーなんかを拝めたら嬉しいですね。