ひょんなことから一緒になった仲間でデボネアをドライブしながら津軽を目指す。行程では様々なドラマが繰り広げられ、登場人物の過去のいきさつが次第に明らかになっていく。そして旅が続く。まったり場面、楽しい場面、笑える場面、ありえない描写、味のある癒しの画風である一方、バイクや車の繊細な描写が嬉しい。旧車の中でも日の目を見ないデボネアでしかも現実の仕様にはないワゴン。内装、外装ともにA30の初期型をちゃんと描いている。型式がA30〜33まである初期型デボ、同じ型の中でも微妙に内装や外装が異なっているため、どの型・どの時期をモチーフにするか決めて描かないと嘘くさくなる。造形の美しさが分かるアングルがたくさん出てくるのもデボネア乗りには嬉しい。それだけではない。クラッチを踏んでギアチェンする場面やオリジナル工具でのジャッキアップの場面まである。朝倉先生はデボネアを所有したことがあるに違いない。普通にマンガとして絶賛に値する上にデボネア乗りなら自己の体験と共感できる描写を楽しめる。