DENONのカナル型イヤホンは、独特の個性を持って異彩を放っているように思います。その分、好き嫌いははっきり分かれるかもしれません。少し前に、カナル型に失望していたときC350に出会って、そのメリハリのある元気な鳴りっぷりに感動し、カナルイヤホン自体を見直した経験があります。
今回、評判のよいC452を購入し、約50時間ほどエージングを経た段階の感想をレビューします。よく聞くジャンルはクラシックで、ハードは主にTranscendのDAPです。
まず、音の傾向はC350同様、非常にパワフルでエネルギッシュです。音圧レベルも高く、全体に同じボリュームでも大きな音がするので、電車の騒音などにかき消させることもなく、外で聞くには快適です。C350は、中高域に独特のピークがあって、やや金属的で聞き疲れする印象でしたが、この452は特に目立ったピークはないものの、基本的にはドンシャリ傾向が強く、高域はよく伸び、シャープで高分解能なため、金管楽器など、ものによっては刺激的な音になる場合があります。低域も、中低域はよく分解し、弦楽器の擦弦音がリアルに聞こえてきます。その下の重低音は、まさに音程不明のドンドンという感じで、あまり良質の低音とはいえません。どちらかというとエネルギーバランスが高音域に偏っているような印象です。自分自身の好みからすると、このようなシャープで高分解能で見晴らしのよい音は好きなのですが、切れ込みのよい分、ややドライな感じが強すぎ、もう少し艶や潤いがあってもいいと思います。
耳へのフィット感では、付属のイヤーピースが合わず、パナソニックのRP-PD3Lに交換していますが、非常に快適で、全体の帯域バランスがさらにフラットになり、密閉感も格段増して、音がワンランクアップしたような印象です。
問題はケーブルです。このケーブル、延長コード方式なのはよいとしても、如何せん硬くノイジーで、少しでも体や衣服に触れるとガサガサ、ゴソゴソと、とてつもなく大きな音が耳に伝わってきます。家でじっとして聞いている分には問題ありませんが、ひとたび動くと、その度にタッチノイズに悩まされます。ケーブル止めのクリップがついていますが、なぜ付属しているのかが納得できるくらいひどいノイズです。音はなかなかよいのに、この一点がいささか残念でなりません。この点が我慢できるようなら、なかなかダイナミックで面白みのあるイヤホンだと思います。